22日は天候不良と大浦湾の波が荒れていたため、カヌーによる抗議行動は中止となった。カヌーメンバーはゲート前や宜野湾市長選挙の応援に行ったり、船に乗って大浦湾の様子を見に行ったりした。
汀間漁港を出て、おもに長島近くで行われている海底ボーリング調査の様子を確認した。長島の岸壁には高波が打ちつけていた。長島の間を抜けて航路標識に向かう途中にある場所で、この辺りは浅くなっていて白波が立つので、カヌーに乗る人はよく注意してほしい。
緑のクレーン付き台船(第八十八福丸)には作業員の姿があったが、ボーリング調査用のガイドパイプは船体横の台座から離れていて、調査作業は行われていないようだった。
スパッド台船の上には作業員の姿が見え、ボーリング用のパイプは海に下りたままとなっている。このスパッド台船が長島近くに移動してきたのは昨年の11月15日で、すでに2カ月以上も同地点で調査を続けている。あまりに長いので、フロートやオイルフェンスを設置したままにするため、わざと調査を延ばしているのではないか、とうがった見方をする人もいる。
海底ボーリング調査が終わったからといって、沖縄防衛局がフロートやオイルフェンスを撤去するとは思えないが、いずれにしろ、大浦湾に今もまだスパッド台船やクレーン付き台船があること自体、作業の大幅な遅れを示す。それは辺野古新基地がいつ完成するか分からない、という作業の困難さを表している。
宜野湾市民はこの現実をよく見てほしい。辺野古に新しい基地を造って普天間基地の「危険性を除去」する、という手法の非現実性が、このスパッド台船やクレーン付き台船の存在からよく分かる。作業が順調に進んでいたら、これらはとっくに大浦湾から消えていたはずなのだ。すでに1年半が経過しているのに、埋め立て作業どころか、基礎的な調査さえまだ終えることができていないのだ。
汀間漁港から辺野古に戻り、松田ぬ浜に行くとキャンプ・シュワーブの金網の向こうで、米海兵隊の水陸両用車(AAV7)が訓練を行っていた。金網を一つ隔てた場所でこのような訓練が頻繁に行われている。ここに新たな基地を造って、なにが「沖縄の負担軽減」か。
沖縄の中で米軍基地をたらい回しにし、「危険性の除去」だの「負担軽減」だのとよく言えるものだ。名護市民にとっては「危険性の増加」「負担拡大」以外の何物でもない。宜野湾市民と名護市民の間で普天間基地を押し付け合うという、日本政府が仕掛けた罠(わな)にかかってはならない。ともに協力して普天間基地の返還を進めていきたい。