2月27日は那覇市の沖縄県庁前で、野田佳彦首相の来沖に抗議する行動が取り組まれたので参加してきた。
午前7時45分から県庁前の県民広場で集会が始まる。主催は沖縄平和運動センター、県統一連、沖縄平和市民連絡会。日米両政府で確認した「唯一有効な方法」として、あくまで普天間基地の辺野古「移設」を進めようとする野田首相に対し、シュプレヒコールで抗議したあと、主催団体と政党代表のあいさつがあった。発言者は以下の通り。
崎山嗣幸さん(沖縄平和運動センター議長)
新垣繁信さん(沖縄県統一連代表幹事)
城間 勝さん(沖縄平和市民連絡会事務局長)
新田宜明さん(社民党・豊見城市議)
糸数慶子さん(沖縄社大党・参院議員)
前田政明さん(共産党・県議)
集会後、県庁東側の歩道に移動し、各団体が作ってきた横断幕をガードレール沿いに並べて、野田首相が来るのを待つ。白い雨具を着た制服警官や黒いスーツ姿のSP、私服刑事、県庁職員など、これまでと比べても厳しい警戒態勢がしかれていた。
その中に帽子、サングラス、マスクで顔を隠した男たちもいた。公安・警備担当の私服刑事か、あるいは別の弾圧組織の男たちだろうか。
マスコミ報道を見ると、野田首相と仲井真弘多知事の関係が過去の鳩山・菅首相に比べて修復されたかのように描いている。だが、このような警備体制を見ると、政府が沖縄県民の反発の大きさをどれだけ警戒していたかが分かる。
続けてアメをもらっている仲井真知事はともかく、大多数の沖縄県民は、今回の野田首相の来沖に何の期待も持てず、しらけた目で見ていたのではないだろうか。
それはまた、野田首相に抗議行動を見せたくない、野田首相も見たくない、ということでもある。白バイに先導され、午前8時43分に野田首相の乗った車が、後部座席のカーテンを閉めてやってきた。その直前、前を走っていた四輪駆動の警察車両が急カーブを切って道路をふさいだ。
沿道から抗議のシュプレヒコールが上がるなか、SPや制服警官に守られて野田首相は県庁に入っていった。
野田首相が県庁内で仲井真知事、高嶺善伸県議会議長と会談している間、沿道では労働組合や市民団体の代表が発言し、歌手のまよなかしんやさんがプロテストソングを歌っていた。
午前9時40分、野田首相の乗った車が出てくると、抗議を浴びて去っていった。
月曜日の朝という時間帯だったが、主催者発表で400名以上の市民・労働者・学生が抗議に集まっていた。当日は、辺野古の浜でも抗議行動が取り組まれている。
今回の来沖で野田首相は、前日26日に仲井真知事と二人だけで会食を行っている。まさに料亭政治で、重要な話はそこで行われたのだろう。田中防衛大臣が来沖した際にも、マスコミを排除して知事と対談している。こういう密室政治が行われるのは、それだけ政府と仲井真知事との間で隠したいことがあるわけだ。政治家の二枚舌、三枚舌をふまえたうえで、何が起こっているかを見抜く目が問われている。
仲井真知事が「県外移設」を口にする一方で、政府はあくまで辺野古「移設」にこだわる。ばらまかれるアメを条件に、この状態で2年後の名護市長選挙まで待とう、ということを含めて、県と政府の間で何らかの野合がなされていないか。密室化の裏で何が進んでいるか、注意が必要である。