6月に入った。沖縄防衛局は当初、昨年の11月30日までに海底ボーリング調査を終える予定だった。それが再々延長されて6月30日にまで遅れている。今年に入っても5月台風の影響で3週間ほど調査ができない状態が続いた。ちゃんとした調査をすれば、とても6月中に終われないはずだが、ごまかし、嘘、情報隠蔽が得意な沖縄防衛局のことだ。1日も呆れるような状況が見られた。
今日も辺野古側と瀬嵩側の二手に分かれて海上抗議行動に出発した。午前9時前に松田ぬ浜を12艇のカヌーで出発し、長間の間を抜けて大浦湾のフロート近くでクレーン付き台船やスパッド台船の動きを見た。瀬嵩側は5艇のカヌーで監視・抗議行動を行った。
長島の南側のオイルフェンスの上にアジサシが2羽とまっていた。鳴き声やしぐさ、大きさから右の鳥は巣立ちした子どもかと思ったのだが、時期的にまだ早いだろうか。カヌーでゆっくり近づくと2メートルほどそばまで寄れた。近くで見ると飛ぶために不要な物をそぎ落とした姿が美しい。
大浦湾の長島の近くに沈められているコンクリートブロックは、藻が付いてかなり汚れている。1日は海が穏やかでなめらかな海面から海底の様子がよく見えた。フロートの向こうに海亀が顔を出して泳いでいる姿も確認できたが、清ら海(ちゅらうみ)に四角い巨大な人工物は異様で醜すぎる。
午前9時半頃、大浦湾に出たときにはすでに1台のスパッド台船が移動を始めていた。組み立てられた場所より瀬嵩側に小型のタグボートで引っ張っていき、瀬嵩の浜から出発したカヌーメンバーが様子を見ていたが、新たな地点で海底ボーリング調査を始めるものと判断して、辺野古側から移動した。
台風が接近して5月10日にスパッド台船を一時撤去するまで、沖縄防衛局は長島の近くで海底ボーリング調査を行っていた。台風で中断したため、その続きを行うものと考えて、大浦湾の長島近くで様子を見ていたのだが、瀬嵩側で新たな調査を開始するということは、長島近くの地点はすでに終了したということだろうか。あまりの調査期間の短さに、ここまでいい加減なのか、と呆れてしまう。
ずさんな調査はずさんな工事を生み、自然環境の破壊をいっそう進めるだろう。沖縄県は船を出して現場での監視行動をきちんと行うべきだ。沖縄防衛局が行っている海底ボーリング調査や解体工事の実態を把握し、問題点を追及してほしい。それは県議会議員や国会議員も同じである。ボーリング調査がただのアリバイ作りに終わるなら、それを許してしまう県や議会の姿勢も問われる。
新たな海底ボーリング調査地点は、瀬嵩側のフロートから100メートルほど離れた場所で、スパッド台船は瀬嵩の浜や県道からも見える場所にある。もう一つのスパッド台船は、最初から調査地点の上で組み立てたようだ。こちらは第3ゲートからよく見える。緑色のクレーン付台船も米軍のプライベートビーチ沖合に移動している。
1日は対応が遅れてフロート越しに抗議の声を上げることしかできなかった。雨と雷のため午後2時過ぎに引きあげざるを得なかった。だが、これから陸からの抗議もふくめて海底ボーリング調査に反対する取り組みを強めたい。第3ゲートからも、瀬嵩の浜や県道からも、拡声器の声は海まで聞こえる。海でも陸でも、ぜひ多くの人に抗議行動に参加してほしい。