2日は午前9時過ぎにカヌー18艇で瀬嵩の浜を出発した。抗議船4隻と合流してフロート近くに行き、前日移動したスパッド台船の様子を見た。ボーリング調査用のパイプが海に降りていて、約3週間ぶりに海底ボーリング調査が再開された。
組み立てが終わったもう1隻のスパッド台船は、タグボートに曳航されて沖の方に移動した。そのあと作業船が台船のまわりにフロートやオイルフェンスを張りめぐらし、新たな調査地点での掘削の準備を進めた。
大型フロート1列と小型フロート2列が三重に設置され、キャンプシュワブの浜から瀬嵩方向に伸びて大浦湾を分断している。フロートの内側では、海上保安庁のゴムボートに乗った保安官たちがボーリング調査を守っている。フロートの近くに並んでカヌーと抗議船で、調査再開に抗議の声を上げた。
午前11時過ぎにカヌーチームと抗議船でフロートを越え、スパッド台船に向かった。カヌーだけでなく泳いでスパッド台船を目ざしたが、途中で海保に拘束された。ゴムボートに上げられ、数名の海保に押さえ込まれた際、唇に裂傷を負ったメンバーもいた。フロートが3重になって越えるのは難しくなったが、それで臆しているわけにはいかない。
翁長雄志知事や稲嶺進市長をはじめとした代表団が訪米して辺野古新基地建設反対を訴えている。その最中に、これ見よがしに日本政府、沖縄防衛局が海底ボーリング調査を再開していることに対し、ただ眺めていることはできない。
調査再開は、辺野古の海、大浦湾の埋め立てに反対する圧倒的多数の沖縄の民意を、徹底して踏みにじる、という政府の意思表示であり、それにできるかぎりの抗議と抵抗をするのは当然のことだ。菅官房長官は「日本は法治国家」と口にするが、沖縄県民には法の下の平等はないのか。
フロートを越えて抗議する様子を、県道から「島ぐるみ会議那覇」のみなさんが見守り、応援してくれた。そのあと、海保の拘束から解かれて瀬嵩の浜に戻ったカヌーメンバーと「島ぐるみ会議那覇」のみなさんとで交流した。
瀬嵩の浜で昼食をとってスパッド台船の方に行くと、午前中は3重だったフロートが4重になっていた。ここまでくると笑ってしまうが、沖縄防衛局の異常さと沖縄県民に対する姿勢がよく分かる風景だ。
海保に守られながら進められているボーイング調査にフロート近くから抗議し、この日は夕方から別の予定があったので、午後3時頃に抗議行動を終えて引き揚げた。
もう1隻、クレーン付き台船による海底ボーリング調査は、辺野古弾薬庫近くのゲートからも見える。スパッド台船による調査は同ゲートからは見えなくなったが、瀬嵩の浜や県道からぜひ見てほしい。