25日は午前9時20分頃、松田ぬ浜から10艇、瀬嵩の浜から7艇のカヌーが出発した。途中で船4隻と合流し、午前・午後と海上抗議行動を行った。出発するときは日が照って暑くなりそうだったが、そのあと雲が出てきて日が陰ると肌寒くなった。熱中症対策をやらなければならない一方で、一時的に防寒も必要となる難しい天気が続いている。
いつものように解体工事の様子を見ながら辺野古崎まで漕いだ。この日の解体作業は、見えている範囲ではバックホーとダンプカーで瓦礫を積み上げる作業以外は止まっているようだった。スパッド台船も2隻とも掘削棒は下りているが作業員の姿はなく、今日は海底ボーリング調査は行われていないとのことだった。
午前中は辺野古崎と長島の間で抗議行動を行った。大小のフロートとオイルフェンスで二重、三重に仕切られており、この場所から大浦湾に入ることはできなくなっている。昨年夏に大浦湾の浅い場所で海底ボーリング調査が行われていたときには、まだ通ることができた。だが、海保は今は完全に締め出しを図っている。
この一帯で米軍が訓練をしているのを見たことないが、地位協定の「常時立ち入り制限水域」を恣意的に拡大し、「臨時制限水域」として市民を排除している。そうやって日本政府は米軍に忠節を尽くす一方で、沖縄県民には「負担軽減」の嘘を居直って恥じるところがない。普天間基地の「5年以内の運用停止」について中谷元防衛大臣は「幻想」という認識を示している。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-242217-storytopic-271.html
もとより沖縄県民の大多数は、仲井真前知事が安倍首相と交わした約束など、埋め立て承認という公約破りをごまかすための茶番にすぎないと思っていただろう。「5年以内の運用停止」が可能なら、新たな基地を辺野古に造る必要などない。できもしなければ、やる気もないにもかかわらず、沖縄県民をあざむく猿芝居を演じた安倍首相と仲井真前知事は万死に値する。
二重、三重に沖縄県民を欺いてなされた仲井真前知事の埋め立て承認に正当性はない。辺野古の海・大浦湾を分断するフロートやオイルフェンスも然り。翁長雄知事が要請しているように今すぐいっさいの作業を中止すべきであり、それがなされるまでカヌーチームは何度でも抗議し続ける。午前中は6艇のカヌーがフロートを越えて海保のゴムボートに拘束され、松田ぬ浜に連れて行かれた。
残っていたメンバーは平島に移動し、寒さを訴えたメンバーは早めに行動を終えた。拘束されていたメンバーが戻ってきてから平島で昼食をとり、午後はカヌー8艇が長島の間を抜けて大浦湾に出た。瀬嵩側でも7艇が行動した。午後1時半頃、カヌー8艇と抗議船1隻がスパッド台船を目ざして進み、「臨時制限水域」に入ったとして拘束された。カヌーはそのあと松田ぬ浜に戻され、小雨も降りだしたので、この日はそのまま行動を終えた。
来週の4月28日はサンフランシスコ講和条約が発効した日で、沖縄では「屈辱の日」と言われてきた。今年はその日にあわせてキャンプ・シュワブのゲート前と海上で抗議行動がとりくまれる。ぜひ多くの人に参加してほしい。