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パラオ諸島にある沖縄の塔

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 天皇夫妻が来島したことでペリリュー島のことがマスメディアでしきりに報じられた。「玉砕の島」と言われたペリリュー島のことを初めて聞いたという人も多いと思うが、パラオ諸島に三つの沖縄の塔があることを今どれだけの人が知っているだろうか。写真は上からパラオ諸島のコロール島、ペリリュー島、アンガウル島に建てられた沖縄の塔である。言うまでもなくアジア・太平洋戦争で犠牲になった沖縄人の慰霊のために建てられたものだ。

 戦前、パラオ諸島にも多くの沖縄人が移民として海を渡り生活していた。そしてペリリュー島やアンガウル島で鉱山労働者やカツオ漁師などとして働いていた沖縄人が現地召集され、逃げる場所もない狭い島の中で米軍と戦い、玉砕=全滅を強いられたのである。

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 2010年の9月28日から10月2日にかけて、「パラオ現地慰霊祭」に参加する遺族の皆さんに同行させてもらい、パラオ諸島のコロール島、アンガウル島、ペリリュー島で開かれた慰霊祭に参加した。上の4枚はペリリュー島で行われた慰霊祭の様子である。沖縄の塔に焼香し、沖縄から持ってきた泡盛やお菓子をうさぎて、遺族の皆さんがサンシンを奏で「かじゃでぃ風」と「恩納節」を歌った。

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 島には日本軍の戦車や米軍の水陸両用装甲車、日本軍の司令部など戦争の跡があちこちに残っている。ぜひペリリュー島とアンガウル島の戦闘を記録した戦記を読んでほしい。日米両軍の兵士たちがどのように死んでいったか、その実態を知れば、今さら天皇が島を訪れて述べた「お言葉」の虚しさが分かる。

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 米軍が上陸したオレンジビーチはハマスーキの巨木が茂り、遠浅の海にはアマモの切れ端が漂っていた。ジュゴンが棲息する海は穏やかで、ここで激烈な戦闘が行われたとは思えない。しかし、海岸沿いの林を歩くと錆びたドラム缶が埋まっていた。そこかしこにまだ遺骨も残っているはずだ。

 沖縄戦から70年になるが、その前年に旧南洋群島で起こった戦闘とそこで死んでいった沖縄人のことを忘れてはならない。玉砕ける、という美辞麗句でごまかしても、下っ端の兵士たちは孤立した島で、無惨な死を強いられていったのだ。妻や子、親、恋人を思い、故郷から遠く離れた島で死んでいくことが、どれだけ無念であったことか。

 


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