1月29日と30日に沖縄防衛局は、大型のクレーン付台船を使って大浦湾の北側と東側に巨大なコンクリートブロックを投入した。上の写真は水深3~4メートル付近に沈められているそのコンクリートブロックの様子である。それぞれ20t-10、20t-13、20t-18という番号が赤いペンキで記されている。20tは重さが20トンということだろう。
1辺がカヌーの長さほどもある巨大なコンクリートブロックは、新型フロートのアンカーとして使用される可能性がある。昨年10月に台風19号によってフロートが浜に打ち上げられた際、大量のアンカーが海底で引きずられてサンゴを破壊した。大型のアンカーを使えばそれを防げる、と沖縄防衛局は言うかもしれない。しかし、このような巨大なコンクリートブロックを海底に沈めること自体が、その下のサンゴや藻場を破壊しているのだ。
巨大なコンクリートブロックを投入したクレーン付台船は、米軍のプライベートビーチの前に停泊している。その横にはバージ船が停泊しているが、その上には15トン、20トンに加えて、45トンのコンクリートブロックも用意されている。水深のより深いところで使用していると思われる。また大型ブイも複数並べられている。
今週27日に大型のクレーン付台船2隻が大浦湾に姿を現してから、連日コンクリートブロックの投入作業が行われている。すでにどれだけのサンゴや藻場が破壊されていることか。キャンプ・シュワブの沿岸から2キロという広大な臨時制限水域を設定し、オイルフェンスを張り巡らせることによって、日本政府・防衛省・沖縄防衛局は、大浦湾の環境破壊の実態を押し隠そうとしている。
埋め立て作業はまだ行われていなくても、この巨大なコンクリートブロックの投入自体が、豊かな生態系を持つ大浦湾に大きなダメージを与える。沖縄防衛局がやった環境アセスメントなど、しょせん住民を欺くものでしかない。45トンもの巨大なコンクリートが沈められた海底はどうなっているのか。沖縄防衛局が臨時制限水域の中は立ち入り禁止だとしてマスメディアさえ排除するのは、このような環境破壊の実態を知られたくないからなのだ。
日本復帰後、沖縄の各島の海岸線は埋め立てや道路建設、護岸工事などによって次々と失われていった。残された砂浜でも米軍基地や大型ホテルのビーチとして囲い込まれ、自由に入れないところがある。大浦湾は沖縄島に残された貴重な海であり、次の世代の人たちに残していく義務がウチナンチューにはある。それがいま日々破壊されているのだ。黙って見ていていいのだろうか。
長い年月をかけて成長してきたサンゴとそこに住む生物が、巨大なコンクリートブロックが1個投入されるたびにどれだけ破壊され、死んでいくか。そのことに想像力をはたらかせてほしい。カヌーで海に出るには練習が必要だが、キャンプ・シュワブのゲート前で座り込むのに練習は必要ない。ぜひ知人に声をかけ合って参加してほしい。