20日は朝、瀬嵩の浜からカヌーチーム16艇が出発すると、前日設置されたオイルフェンスが流されていた。途中で黄色いブイに引っかかり、蛇行した状態となっていたが、ずさんな作業の実態を示している。
フロートに比べてオイルフェンスが波の圧力をより多く受けるのは分かりきったことだ。カヌーに乗り越えられないようにオイルフェンスに換えたら換えたで、早くもこういう失敗をしている。気になるのは、アンカーが引きずられて海底のサンゴを損傷していないかということだ。作業自体が日々大浦湾を傷つけているのであり、沖縄防衛局は即刻海上作業を止めるべきだ。
午前中は二手に分かれ、流されたフロートの修復作業にはいるのを警戒した。浮き桟橋の方から30隻ほどの海保のゴムボートや船に守られて作業船がやってくる。潜水士が海底の状況を確認したり、舳先にクレーンの着いた作業船がアンカーを運んで新たに設置する作業をくり返していた。
オイルフェンスから離れるとすぐに海上保安庁のゴムボートがまわりを囲んで、作業船に近づくな、と威嚇する。様子を見ながら抗議を続けたが、流されたオイルフェンスには手をつけずに、大浦湾の瀬嵩側にアンカーを打つ作業をくり返していた。
https://www.youtube.com/watch?v=D6B2k3PqUus&feature=youtu.be
午後2時半過ぎ、オイルフェンス付近に停泊していた市民の船2隻に海上保安庁の保安官たちが乗り込んできた。新たなオイルフェンスを設置するために、船とカヌーを排除することを狙い、船長や乗員を暴力的に制圧しようとした。大浦湾では連日、抗議する市民やメディアの船に海保の保安官が乗り込んできて暴力をふるうことがくり返されている。
この日、オイルフェンスは「臨時制限水域」を示す黄色いブイの外側まで流されており、2隻の船も同水域外にあった。停泊して状況を監視しているだけの船に、海保が乗り込む法的根拠は何なのか?辺野古の海・大浦湾はいったい誰のものか。やりたい放題やっている海保の姿は、「海の警察管」どころか「海の暴力団」としか思えない。
現場を取材していたマスコミ関係者が乗った船は、海保のゴムボートにロープで結ばれて遠く離れた場所に強制的に移動させられた。しかし、カヌーチームが船のまわりを囲んでいて、デジカメやスマホを向け、海保に抗議の声を上げ続けたので、暴力を抑制する効果はあった。
https://www.youtube.com/watch?v=C3sNSoUYY_g
船の方がいったん落ち着いたかと思うと、今度は海保がカヌーチームの不当拘束を始めた。船と同じようにカヌーも臨時制限水域の外にいて、しかも曳航用ロープを船に結んでいた。作業を監視、抗議はしていても、カヌーを漕いですらいない。違法な予防拘束であり、しかも結んであるロープをほどいてまでカヌーごと女性を拘束するという悪質さである。マスコミが乗った船を排除した上で、海保はこのような行為を行っているのだ。
海保の暴力的弾圧によって現場が混乱しているなか、作業船が新たなオイルフェンスの設置作業を行った。しかし、引き出し方が下手で、波に流されていたオイルフェンスに引っかかって、船が進まなくなってしまった。それを助けて海上保安庁のゴムボートも一緒に作業を行っていた。 まさに新基地建設を行う民間業者の作業を手助けするために海保は辺野古の海・大浦湾にいるのであり、現場の「安全確保」など弾圧の口実にすぎないことを自ら示していた。
このままでは海保の暴力によって怪我人が続出し、現場では大きな事故が起こりかねない。選挙で示された沖縄の民意を圧殺するために、暴力で抗議行動を潰そうとする海保を許してはならない。