沖縄県東村高江の米軍訓練 1
高江/米軍訓練2
高江/米軍訓練 3
安波ダム北の米軍野営訓練
安波ダム北のオスプレイ訓練
高江/MV22オスプレイの下降気流で揺れる木々
上に紹介した動画は、2013年から16年にかけて、東村高江のヘリパッド建設反対の取り組み中に撮影したものだ。私のような素人にもこういう映像が撮れるのは、住民が生活に使用している道路のすぐそばで、小銃を手にした米軍の訓練が行われているからだ。
国際自然保護連合が「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」を世界自然遺産に登録するよう勧告したことが話題になっている。しかし、沖縄島北部=ヤンバルの森では何が行われているのか。北部訓練場で行われている米海兵隊の訓練を、実際に目にした市民はどれだけいるだろうか。
沖縄島に住んでいれば、米軍の姿を日々目にするし、爆音や射撃音などに苦しめられている人も多い。しかし、米兵が小銃を手にして訓練している様子は、キャンプ・ハンセンやキャンプ・シュワブ、北部訓練場まで行かないと、目にする機会が少ない。私にしても高江のヘリパッド建設阻止行動に参加して、初めて知ることが多かった。
どんなきれいごとを並べようと、軍隊が行うのは殺戮と破壊であり、住民も必ず巻き添えになる。現代戦は無人の荒野で行われるのではない。沖縄で訓練を積んだ米軍の兵士たちが、朝鮮やベトナム、アフガニスタン、イラクなどで何をやってきたか。どれだけの市民が米軍によって殺されてきたか。
沖縄の施政権が返還され、日本の支配下に再併合されてから49年になる。日米安保条約にともなう米軍基地の負担を沖縄に集中させることで、日本人の多くは基地がもたらす負担と犠牲から免れ、あたかも日米安保体制が自分たちに平和と安全を与えているかのような幻想に浸ってきた。
そして、米軍の侵略戦争を支持、支援しながら、憲法9条があるから「平和国家」であるかのような欺瞞を重ねてきた。
そういう幻想と欺瞞の上に今度は、中国に対抗する軍事拠点として沖縄で自衛隊の強化を進めている。仮に尖閣や台湾をめぐって日米中で紛争が発生しても、被害を被るのは沖縄・奄美であり、日本「本土」まで軍事的被害は及ばないだろう。それが日本人の大多数の本音である。
日本にとって沖縄は、いざとなれば切り捨てられるトカゲのしっぽでしかない。「本土復帰」という欺瞞に満ちた言葉といい加減決別すべきだ。沖縄にとって日本・ヤマトゥは本土であるはずがない。