9日(水)は雨の合間を縫って、名護市内でビラまきを行った。新基地問題を考える辺野古有志の会とティダの会で作ったビラで、〈渡具知市長は大浦湾の埋め立てに反対してください〉〈「美謝川」調査は大浦湾埋め立ての第一歩〉〈あいまいな態度はもうやめてください〉という見出しで、沖縄防衛局が美謝川の河口切り替えに向けてボーリング調査に入った、という新聞記事を紹介している。
これまで渡具知武豊名護市長は、辺野古新基地問題に対する態度を曖昧にしてきた。2018年2月4日に行われた市長選挙では、新基地問題の争点化を回避することに力を入れ、当選後も国と沖縄県の裁判を利用して、自らの判断を曖昧にし続けてきた。
市民の目を基地問題からそらし、経済や生活を前面に出す。再編交付金を活用して基地受け入れがもたらす経済的メリットを市民に実感させる。一方で政府が進める新基地建設は黙認し、自らが矢面に立たされることを避けながら、「アメとムチ」を市民の中に浸透させていく。それが渡具知市長がやってきたことだ。
大浦湾の埋め立てに向け、美謝川河口の切り替えに反対する稲嶺進市長(当時)を倒すために、日本政府・自公政権は2018年の市長選挙で、渡具知氏を全面的に支援した。その成果が、現在辺野古ダム周辺で進められているボーリング調査だ。これから工事を進めるうえで、2022年2月に行われる名護市長選挙で渡具知市長を再選させることが、政府にとって重要な課題となる。
当然、新基地建設に反対する側は、前回選挙の敗因を分析したうえで、それを克服し、政府の狙いを打ち砕かねばならない。しかし、現状はどうだろうか。選挙まで1年と少ししかないが、その力を準備できているだろうか。私見では、かなり厳しいと言わざるを得ない。
新基地問題を考える辺野古有志の会とティダの会では、次の名護市長選挙に向けて何ができるか、何をしないといけないか、を視野に入れて、10月8日に渡具知名護市長に「美謝川切り替えに向けたボーリング調査」に関して申入れを行い、そのあと同問題でビラを作成して、先々週から名護市内でまき始めた。並行して渡具知市政の問題点の洗い出し、調査も行っている。
あいにくの雨続きで、まだまいた範囲は少ないが、これから日々範囲を広げていく予定だ。同時に、渡具知市政の問題点を検証し、ビラや街宣活動で市民に伝えていこうと考えている。小さな団体がやれることはわずかだが、1年余り先を見すえて、計画的かつ継続的に取り組んでいきたい。