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Channel: 海鳴りの島から
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大浦湾の航路とK8護岸で海上抗議行動/佐藤優による菅政権への幻想煽り

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 28日(月)はカヌー8艇と抗議船2隻(不屈、平和丸)で海上抗議行動を行った。午前8時40分頃、いつものように大浦湾では、埋め立て用土砂を積んだガット船3隻(第八藤進、神峰、清明)が航路に入ってきた。入れ替わりに第二十八旭丸が出て行った。

 カヌーは航路でガット船に抗議し、全艇が海保に拘束された。菅政権に代わっても、辺野古新基地建設の強行は何も変わらない。菅自らがこれまで沖縄への強硬姿勢を貫き、安倍政治の継承を打ち出しているのだから、変わるはずもない。

 午前中は曇り空が多く、北風が肌寒かった。9月も終盤でミーニシ(新北風)を感じさせ、ツバメが舞う姿も見えた。しばらくは涼しさと暑さがくり返す日が続くだろう。

 K8・K9護岸での土砂陸揚げ、②工区への投入と並行して、K1~2護岸とK4護岸では、嵩上げ工事が続けられている。午前中は両護岸にミキサー車が来て、生コンの打設を行い、新たな型枠の組み立てを行っていた。

 大浦湾では今朝入った3隻のガット船に加えて、土曜日から残っている第八高砂丸、國喜18が、ランプウェイ台船に土砂の積み替えを行っていた。

 海保のGBで松田ぬ浜に運ばれたあと、不屈と平和丸に乗って辺野古崎に戻った。K8護岸では午前9時27分頃から1回目の台船の入れ替えがあり、2回目に抗議するため長島で待機した。

 午後12時8分頃、土砂の陸揚げを終えてショベルカーが台船から降り、2回目の入れ替えが行われた。カヌーチームはオイルフェンスを越えて3隻目の台船(屋部3号)に向かって漕ぎ、土砂の陸揚げに抗議した。

 長島ぬ桟橋ぬ下(しちゃ)んかい居(う)いぬトントンミーカーたーや、ぬーが考げーとぅら。 

 9月27日付琉球新報に「佐藤優のウチナー評論」660回が載っている。その中で佐藤は自身の「推定」として、あたかも菅政権が〈新たな県内移設案〉を〈探るか〉のような論を展開している。〈中央政府内の現実主義派〉や〈元県幹部?〉の考えを紹介しながら、あたかも菅政権がそれを受け入れる可能性があるかのような幻想を振りまいている。

 菅首相が辺野古埋め立て計画を断念するなら、それは安倍政権下で進めてきたことを根底からひっくり返すものだ。それを菅がやる可能性がカケラでもあるのか。時あたかも辺野古の設計変更をめぐる問題が焦点化し、衆議院の解散総選挙もうわさされる中で、その可能性があるというなら、佐藤は〈根拠となる情報〉を示すべきだろう。

 〈中央政府内の現実主義派〉がある考えを持っていることと、菅政権をそれを政策として採用することの間には、大きな開きがある。次元の異なる二つの事柄を意図的に混同し、琉球新報の読者を惑わせることで、佐藤の「評論」は菅政権の支持者には評価されるかもしれない。しかし、眉に唾をつけて読む類のものだ。

 午後2時44分頃、豊原の高台から辺野古側埋め立て工区の様子を見た。続けて瀬嵩の海岸から大浦湾の様子も見たが、K8・K9護岸では土砂の陸揚げが続けられていて、この時間帯にはK1~K2護岸の近くに投入されていた。

 K2護岸の完成した壁の前に消波ブロックを積み上げる作業も行われていた。菅政権は工事を強行し、埋め立てが進んでいることを見せつけることで、沖縄県民をあきらめと無力感に陥らせようとしている。

 新型コロナウイルスの感染拡大で県経済が打撃を受けるなか、菅政権は新基地建設と経済振興をリンクさせ、アメとムチで玉城県政および県民に揺さぶりをかけるだろう。狙いは次の県知事選挙で、政府の言いなりになる県政を作り出すことだ。

 沖縄が置かれている現実は厳しい。それを見据えて対峙しなければならない。佐藤がふりまく「幻想」に惑わされるなら、それこそ足をすくわれるだろう。


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