在沖米軍基地で新型コロナウイルス感染者が多発し、キャンプ・ハンセンや普天間基地ではクラスターが発生した。米兵と軍属、その家族を合わせて約5万人の米軍関係者から、沖縄ではすでに320人の感染者が出ている。
沖縄県は独自の緊急事態宣言を発し、感染拡大を止めるために県全体で必死となっている。そういうなか、キャンプ・シュワブのメインゲートでは、検温もせずに車両が出入りしている。
先週の4日(火)頃までは、キャンプ・シュワブのメインゲート(第1ゲート)や辺野古弾薬庫側の第2ゲートに米兵が2人立ち、基地内に入る車両の乗員に検温を行っていた。運転手や乗員の額に検温器を近づけ、体温を測定してから基地内に入れていたのだが、先週の5日(水)には米兵の姿が見られなくなった。
在沖米軍は新型コロナウイルスの感染拡大が収束したと判断し、ゲートの検査体制を以前通りに戻したということか。世界最大の新型コロナウイルス感染国の判断は、こんないい加減なものなのか、と呆れ果てる。基地から出る車両は以前からノーチェックだが、県民からすればこの方が脅威だ。
危機感もなければ責任感もない、米軍の対応に怒りを覚える。今の沖縄の苦境をもたらした責任の一端は米軍にある。そのことをどれだけ反省しているのか。このでたらめなゲートの状態を見ると、若い兵士たちの規律も緩んでいて、県民に感染を広げるのではないか、と恐れる。
沖縄県やメディアは、米軍のこのような姿勢を問題にすべきだ。米国の新型コロナウイルス感染者は500万人を超し、死者も16万人を超えている。米国レベルのずさんな感覚と対応で、米国由来のウイルスを沖縄で拡散されては、たまったものではない。車両の検温すらできない基地は、完全封鎖すべきだ。