26日(金)は安和での抗議行動を切り上げたあと、ヤナジガーの草刈りを行った。父方の祖先が使ったハー(泉)で、かつては旧暦の(五月五日)に旧岸本部落の人々が集まってハーウガミ(泉拝み)を行っていた。今はその行事も廃れつつある。
今年は25日が旧のグンガチグニチだったのだ。天気が崩れがちなのでその日は家でウガンをうさぎて、翌日、草刈りを行った。今は水を汲みに来る人もいないので、ハブが出そうな状態となってしまっているが、日照りに苦しんだウチナンチューにとって、ハはーはまさに命の源だった。
沖縄の文化や芸能がもてはやされるが、シマクトゥバを自由に話せる人は50代でも少なくなった。観光と結びついた「琉球文化」が華やかに演出される一方で、ウチナーのムラシマは過疎化が進み、伝統行事を続けるのも難しくなっている。草を刈っている間、森の奥ではホーピルの鳴き声が響いていた。
ハーから家に帰って夜遅くまで作業をしていたら、ドラゴンフルーツの花が咲いていた。大輪の花は夜に咲き、いい香りが漂う。見事なものだ。この後に赤紫の実がなる。
庭のトックリランでワシワシー(クマゼミ)が羽化していた。沖縄はすっかり夏だ。新型コロナウイルスに怯える人間のことなど関係なく、自然は豊かに息づいている。