21日(火)午前に沖縄防衛局は、大浦湾の埋立海域の軟弱地盤改良に伴う設計変更を沖縄県に申請した。それに合わせて大浦湾ではK9護岸とK8護岸で土砂の陸揚げが行われ、②工区への土砂投入が行われた。
お昼頃から瀬嵩の海岸、森の上、豊原の高台から工事の様子を見た。この日は新たなガット船は入っておらず、前日まで残っていたガット船・聖祐、神峰などがランプウェイ台船に土砂を移し替えていた。それに加えて、すでにほかの台船に載っていた土砂が、両護岸から陸揚げされた。
土砂を下ろして空になったガット船とランプウェイ台船は、大浦湾から出て行った。ランプウェイ台船が出ていくのは、台風時の避難や長期間の工事中断の時だ。
午後4時の段階でまだ4隻のランプウェイ台船が残っていたので断定はできないが、明日以降にほかのランプウェイ台船も出ていくなら、ゴールデンウィーク明けまで工事を中断する可能性が高い。
本格的な工事再開ではなく、今日だけあえて埋め立て工事を行ったのなら、県への設計変更申請と合わせたとしか思えない。メディアの取材を想定して、工事が続いているかのように印象操作するため、あえて今日の工事を行ったのではないか。
埋め立て工事と並行して、瀬嵩側の汚濁防止膜の交換も行われていた。
K8護岸とK9護岸から陸揚げされた土砂は、②区域の2カ所に投入されていた。
K4護岸のそばに置かれていた消波ブロックを設置するための大型クレーンは片づけられていた。
工事用ゲートは開かれていたが、生コン車やダンプカーが何十台も車列をなして資材を搬入する様子は見られなかった。
世界中で新型コロナウィルスの感染が広がり、多くの死者が出ている。日本、沖縄も感染拡大の勢いは衰えず、医療崩壊の危機が叫ばれている。そういう時期に、設計変更申請と埋め立て工事を行っている日本政府・沖縄防衛局は、どこまで沖縄県民を愚弄しているのか。腹の底から怒りが込み上げる。
申請によって沖縄県は対応を迫られ、その分、新型コロナウィルス対策に手が回らなくなる。新基地建設の海上工事に携わる作業員が新型コロナウィルスに感染し、キャンプ・シュワブ内の建物にいた14人が自宅待機している。沖縄防衛局は二次感染者が発生する前に駆け込みで申請をしたのか。そういう疑いさえ生じる。
工事の強行によって作業員だけではない、民間警備員や海保、県警、抗議する市民など、何百名もの人が感染の危険にさらされてきた。新基地建設のためなら人命などどうでもいい、と言わんばかりのやり方だ。こういう日本政府・沖縄防衛局を絶対に許してはならない。