21日に行われた那覇市長選挙は、現職の城間幹子氏が新人の翁長政俊氏に3万7231票の大差をつけて勝利した。県知事選挙の勢いを保ったままオール沖縄陣営が推す城間氏が圧勝したわけだが、これだけの大差がついた背景に、安倍政権が17日(水)に辺野古の埋め立て承認撤回に対抗措置をとったことがあるのは明白だろう。
3日攻防に入ろうとする前日に、翁長氏を支援していたはずの安倍政権がやった行為は、政府は那覇市長選挙に見切りをつけたな、翁長氏は見捨てられたな、という印象を与えるものだった。翁長氏を支持していた有権者の中には、これでは勝ち目がない、とあきらめた人が多かったのではないか。それが投票率の低下にもつながったと思われる。
安倍政権が辺野古の新基地建設工事の再開を急いでいるにしても、那覇市長選挙が終わるまで待ち、対抗措置を1週間延ばしたからといって、どれだけのちがいがあるというのか。安倍政権による17日の対抗措置が、翁長氏の陣営に与えた打撃は計り知れなかったはずだ。自分たちの役に立たないと判断すれば、身内でも簡単に切り捨てる安倍首相と管官房長官の冷酷さを、沖縄の自民党・公明党支持者は思い知っただろう。
沖縄の自民党・公明党支持者の中には、安倍政権の仕打ちに怒りを抱いている人もいるはずだ。その怒りは正当なものである。私のように安倍政権と対立する者でも、3日攻防の前にそんなことをするのか、と呆れた。県知事選挙ではヤマトゥから来た政治家たちに振り回され、那覇市長選挙ではあっさり切り捨てられる。沖縄の自・公の運動員たちはやりきれないだろう。
安倍政権にとって沖縄は、日米安保の負担を押しつけるために利用するものでしかない。沖縄の自民党・公明党支持者も、これ以上安倍政権に踊らされるのはやめた方がいい。政府や党中央に依存し、媚びれば媚びるほど、バカにされ、なめられるだけだ。ヤマトゥの政府にいいようにあしらわれて、ウチナンチューとして悔しくないのか。