10月2日は久しぶりに集中して本が読めた。県知事選挙期間中はできるだけ本は読まないようにしていた。そういう時間があるなら、ビラの1枚もまいた方がいい、それぐらいの気持ちでやらなければ選挙は勝てない、ここで負けたら辺野古で苦労してきた人たちはどうなるのか、今までに辺野古でたたかい亡くなってきた人たちはどうなるのか、という思いがあった。
今回の県知事選挙で、玉城デニーさんが伊江島で出発式をやったことに批判があったようだ。人口が多い那覇市でやった方が盛り上がるのは当たり前のことだ。ただ、やんばるで生まれ育った者からすれば、衆議院3区で選出された玉城デニーさんが、母親の出身地である伊江島から選挙運動をスタートし、やんばるを先に回ってくれたのは有難いことだった。
沖縄の中でやんばるや離島に対する偏見、差別心が払拭されたと言えるか。安倍政権の全面支援を受けた佐喜真淳さんが、辺野古について一言も触れずに済ませられる根底に、そして、その戦術を支持する人たちの根底に、やんばるに対する差別心がないと言いきれるのか。そういう問いが中南部の人たちに湧いてくるだろうか。
宮古、八重山、与那国では自衛隊配備が大きな問題となっている。中国に対抗する米軍と自衛隊の軍事強化という視点から見れば、先島地域の自衛隊強化と辺野古新基地建設問題は根っこでつながっている。玉城デニー新知事には、米軍と同じく自衛隊に関しても、沖縄においてこれ以上の強化を許さない立場で取り組んでもらいたい。オール沖縄陣営も、先島の自衛隊配備問題を棚上げにしてはいけない。
翁長前県政が誕生した時の状況を思い出すと、当選直後の熱気があるうちに、どれだけことを進められるかが大きな課題であると思う。日本政府はすぐにも巻き返しを図ってくる。卑劣な個人攻撃も加えられるだろう。玉城デニー新知事には、8万票の大差をつけて当選させた沖縄県民の支持を背負って、スタートと同時に力を尽くしてもらいたい。私たちもそれを支えるために努力したい。