21日は午後から今帰仁村で街宣活動を行い、村中を回った。運天の丘に見事な琉球松が枝を広げている。以前はこのような大木があちこちにあったのだが、マツクイムシの被害で枯れたり、台風で倒れたりで、かなり数が減ってしまった。
母校の今帰仁小学校はそばに仲原馬場があり、松の大木に校舎が囲まれていた。琉球松が沿道に並び、丘の上にそびえる風景は今帰仁の原風景だった。今帰仁の子どもたちは老松を通して琉球国の政治家・蔡温の名前を知った。
20日に天底公民館の前で行なわれた玉城デニー候補の演説会の様子だが、発言している翁長雄治那覇市議の背後にはウッパダキ(乙羽岳)が見える。今帰仁の人には故郷の山だ。故翁長知事も子どもの頃、母親に連れられてこの山を眺めたことがあっただろう。
沖縄で秋を感じさせる花はクワンソウだろうか。畑で栽培されているほかに、民家の庭先や道端でも咲いていた。
こちらは年中咲いているアカバナ―。以前キューバに行ったとき、ヘミングウェイが住んでいた家の庭にも、沖縄と同じアカバナ―が咲いていた。ハイビスカスの園芸品種は膨大な種類があるが、こちらは原種の一つなのだろう。地球の反対側の沖縄とキューバで同じアカバナ―が咲いているのに、伝播の歴史を思った。
今帰仁はまだ自然が残っている。そのことを改めて実感したのが、数日前にとある海岸の近くで、大きなヤシガニを見た時だった。足を広げると30センチほどあっただろう。写真を撮ってもすぐには逃げなかったが、近づくとアダンの茂みに退いていった。
ヤシガニで思い出したのが、辺野古岬の沖にある平島のことだ。カヌーチームが休憩していた時、メンバーの一人の上着に子どものヤシガニがしがみついていた。こんな小さな島にもヤシガニがいるのか、と驚いたが、隣の長島にもいるようだ。自然の豊かさの証だ。
今回の県知事選挙は、やんばるの将来に計り知れない影響を与える。人口の多い嘉手納より南の米軍基地を、人口の少ない沖縄島北部=やんばるに集中させることで、沖縄人を分断して基地の維持、運営を容易にする。それが日米両政府の狙いだ。
彼らは自分たちの言いなりになる沖縄県知事が欲しいだけだ。その対象に佐喜真淳氏が選ばれたのは、日本会議の一員で安倍首相好みであり、政府の思惑をよく忖度して「協調」してくれそうだからだろう。そういう人が沖縄県知事になったら、やんばるの将来は暗澹たるものとなる。やんばるの将来はまず、やんばるんちゅが守らないといけない。
再編交付金というアメにだまされて、耐用年数200年といわれる辺野古新基地を受け入れたらどうなるか。あとにつづく子どもたちや孫たちに、大きな負担を犠牲を押しつけてはいけない。ヤンバルンチュはいまこそ地域の自然と社会を守るために、意地見しらんねーないびらんどー。