19日はカヌー13艇で松田ぬ浜を出発した。現在、主に抗議活動を行っているK1護岸の建設予定地付近は、カヌーでも片道10分とかからない近さだ。浜の方からも様子を見ることができる。
遠浅の海底には海草が茂っている。かつてはジュゴンが餌をとりに来た場所だが、新基地建設に向けた調査や工事で追い出されてしまった。静謐な環境が戻ればジュゴンも帰ってくるかもしれない。しかし、現実はそれとは真逆の方向に向かっている。
K1護岸の建設予定地の近く、髑髏の絵がある浜に仮設道路建設の動きが見られたので、先週からずっと警戒を続けてきた。昨日18日に塩ビパイプが片付けられたので、今日から捨て石の投下があるかもしれない、と予想していたのだが、その通りに午前9時23分頃、石材を積んだダンプカーが上の駐車場に姿を見せた。
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今日は水曜の大行動日だったのだが、朝一番にゲートから工事車両が入ったようだ。外から直接運んできたらしい捨て石が、午前9時27分頃、ダンプカーから直接浜に落とされた。先週から木枠は組まれていたが、本格的な着工としてこの場所での捨て石の投下が始まった。
計8台のダンプカーが立て続けに捨て石を投下した。海中に投下していないため未洗浄なのか、落とすたびに舞い上がる白い粉塵がひどかった。
投下した捨て石はショベルカーで横に広げ、打ち固めていく。K9護岸や取付道路と同じ手法で工事が進められているが、こちらはダンプカーから直接投下し、道路の高さも大してない。資材が順調に入れば、進行も早い。ただ、木枠やフロートの設置状況を見ると、ここもとっかかりの部分を作っただけで止まる可能性がある。
それでも工事の範囲が拡大し、海岸が破壊されることに黙っているわけにはいかない。カヌーと船で近くまで寄り、抗議の声を上げた。しかし、海上からは陸の工事を止めることはできない。作業が海の方まで出てくれば直接抗議することもできるが、浜での作業に対しては状況把握と声で抗議することしかできない。悔しく、もどかしい限りだが。
ゲート前で資材の搬入を止めることは、今日のようにゲートから入った車両がそのまま捨て石を投下している場合には、直接効果を及ぼす。ゲート前で資材搬入を止めれば、捨て石工事も止まる。実際には、水曜日も工事車両が入るようになり厳しい状況だが、そこを巻き返さないといけない。
午前の行動を終えたあと、松田ぬ浜に戻ってテントで昼食をとった。カヌーに乗っている間は、ずっと太陽にさらされているので、昼休みは日陰に入って涼をとる貴重な時間となる。
午後も髑髏の絵がある浜に面し、監視行動を続けた。午後1時20分頃、2回目の資材搬入でダンプカーやミキサー車が奥の道を通っていくのが見えたが、浜の方に下りてくることはなかった。作業員たちも上の方で作業をしているだけで、午後は捨て石の投下はなかった。
明日以降、捨て石の投下が続けられるだろう。日本政府・沖縄防衛局は複数個所で工事を着手し、埋め立てに向けた工事が進行していると印象付けることに必死だ。だが、台風対策でK9護岸や取付道路は中断に追い込まれている。
台風で積み上げた石材が崩れ、散乱すれば、その回収と補修に多くの時間を費やす。市民による監視の目が常にあるなかで、ごまかしは効かない。否が応でも時間と手間をかけ、丁寧に作業をせざるを得ない状況に追い込んでいくのも大切なことだ。