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Channel: 海鳴りの島から
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辺野古沿岸部の工事の様子。

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 7月に入った。2014年7月にV字型滑走路や軍港機能、装弾場などを持つ辺野古新基地建設工事が始まってから4年目に入った。この日はまた、高江でヘリパッド建設工事が再開されてもいる。着陸帯部分の形は整えられたが、H地区とG地区を結ぶ進入路は未完成であり、米軍の訓練も開始できていない。

 沖縄防衛局は辺野古と高江の両方で工事を進めることで、抗議行動を分断する魂胆のようだ。しかし、両方に力を割かれるのは沖縄県警も同じである。機動隊員の数にも限りがある。そうたびたび全国から派遣できるわけではない。抗議行動の参加者が増えれば、困るのは沖縄県警の方なのだ。安倍政権による沖縄への強権的な基地押しつけをはね返すために、辺野古・高江に多くの人が来てほしい。

 1日は朝、カヌー13艇で松田ぬ浜を出発した。石材が投下されている海岸までは、カヌーでも15分ほどで着く。抗議船3隻と合流して、午前・午後と監視・抗議行動を続けた、

 工事現場に着くと、海岸に投下された石材の向かって右側に根固め用袋材を置く作業が進められていた。この一帯は太平洋側に面しているので、台風の時はリーフを越えて大波が打ち寄せる。2014年10月の台風の時は、フロートが打ち上げられ、護岸の一部が壊れた。前日から作業が進められていたようで、右側は念入りに袋材が積まれているが、正面はどうなるのだろうか。

https://www.youtube.com/watch?v=s0MXmtX-O3Q&feature=youtu.be

 右側に根固め用袋材を置く作業がすむと、続いて左側の護岸側に同じく袋材を積んでいた。向かって左側の方に仮設道路が伸びていくように見える。ある程度海岸に積むと、仮置きなのか陸上の道路に袋材を置いていた。土曜日のせいか、午後3時半頃にこの現場での作業は終わった。

 石材の投下現場から向かって左側の砂浜には、青く塗られた木の杭が一定の間隔で打ち込まれている。その先は松田ぬ浜に続くが、途中には生コンプラントがある。当初の計画では、海岸沿いに工事用仮設道路が造られ、自然の状態で残った砂浜や海岸の林が跡形もなく破壊される。

 まだ本格的な埋め立ては始まっていないから大丈夫、と発言する人がいるが、現場の状況を知らないので、そんなことが言える。「本格的な埋め立て」以前に、沿岸部の仮設道路や護岸工事で海岸線は破壊され、元の自然に戻すことは不可能なのだ。今この砂浜を守る具体的な行動をとらないで、後から嘆いても遅い。

 この海域は浅くて岩が多いので、海保のゴムボート(GB)はフロート内に入れない。そのため、GBはフロートの外側でカヌーや船を規制し、内側と陸上を海保の保安官が二重、三重に並んで警備体制を敷いている。

 海岸部の工事に対して、カヌーや船は海上からしか抗議できないので制約がある。投下される石材をもどかしい思いで見ざるを得ないが、厳しい暑さの中、フロート沿いで監視・抗議行動が続けられた。

 途中、カヌーメンバーの一部と不屈でK9護岸の様子を見に行った。辺野古岬付近の作業ヤードでは連日、消波ブロックの製作や海岸線の工事が進められている。このあたり一帯でも仮設道路工事にむけた動きがいつ始まってもおかしくない。常に注意が必要だ。

 午後2時半頃、K9護岸の様子を見に行くと、捨て石の法面に根固め用袋材を積んでいるところだった。法面に大型の袋材を積んだあと、護岸の路盤に小さめの袋材を並べてショベルカーで突き固めていた。このあと鉄板を敷いてクレーン車が移動し、来週からまた石材投下を始めるのだろう。

 久しぶりに参加したメンバーが、護岸が伸びたなー、と言っていた。政治家や知識人など色々な人が辺野古の問題に発言している。しかし、自分の目でどれだけ現場の状況を確かめているか。3年前、海底ボーリング調査が始まった頃から、ここまで状況は変化している。

 インターネトットやメディアの記事で分かった気になってはいけない。今の厳しい状況を認識し、辺野古でも高江でも、暑さに耐えでゲート前に座り込む人が増えなければ、状況はさらに悪化する。


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