週明けの6日は朝、カヌー16艇で松田ぬ浜を出発した。1日中曇り空で北風が強く吹き、カヌーには厳しい条件だった。前日、海底ボーリング調査を行う大型特殊船ポセイドン1や汚濁防止膜を設置するためのコンクリートブロックを積んだ台船が大浦湾に入り、多くの取材陣が来ていた。
午前中は長島の近くで待機し、各作業船の動きを監視した。米軍のリゾートビーチ近くに停泊した2隻のクレーン船に、バージ船からコンクリートブロックを移す作業が進められ、それぞれ15個ほどが移されたようだった。
埋め立て工事に向けて「本格的な海上作業」が始まったとメディアが報じたので、ゲート前には150名ほどの市民が集まった。作業車両を長時間止めている、との連絡が海にも入り、カヌーや抗議船の気勢が上がった。
風が強くなったので平島で早めの昼食をとった。午後は抗議船に乗って瀬嵩側に移動し、監視・抗議行動を継続した。
辺野古弾薬庫下のフロート沿いで、バージ船からクレーン船に資材を移す作業の様子を見た。午後はアンカー用のコンクリートブロックにつなぐブイ付きのワイヤーロープやフレコンバッグなどを移す作業が進められていた。
鉄の棒にロープを張ったフロートの向こうでは、海上保安庁のゴムボートが警戒態勢をとっている。相も変わらず海保に守られて作業が進められている。沖縄県民に新たな基地負担を押しつけ、米軍に奉仕する組織に成り下がった海保の姿は見ていて情けない。海保が海の破壊に手を染めてどうするのだ。
この日は次の日程があったので午後3時半ごろに監視・抗議行動を切り上げた。船で平島近くまで移動し、カヌーで引き揚げようとしたところ、待っていたかのように2隻のクレーン船が移動を始めた。
大浦湾に出て様子を見ていると、クレーン船は翌日の投下ポイントを確かめるような動きを見せて戻っていった。結局、この日のコンクリートブロック投下はなかったが、すでに準備は終わっており、明日は朝から投下が始まりそうだ。
長島近くから辺野古弾薬庫下まで設置されたフロートは、張りめぐらされたロープが各所で切れていて、作業員たちが補修に追われている。
鉄棒の穴を通すと擦り切れるので、細い紐を通してロープをつなぎ、切れにくいようにしているのだが、その付け替え作業も膨大な量だ。作業員たちはいらぬ仕事が増えて、内心はうんざりしているのではないか。
大浦湾に設置した俵型フロートを付けた小玉フロートもひどい有り様だ。使い古しもかき集めてきたらしく、表面のカバーが破れ、発泡スチロールがむき出しになっているのがいくつもある。海上には砕けて浮遊する発泡スチロールが目立ち、海洋汚染の元凶となっている。
高江のヘリパッド建設もそうだったが、沖縄防衛局のやることはどこまで杜撰なのか。沖縄の民意を無視して工事を強行するだけではない。その実態はかくもいい加減で、日々自然を破壊し、汚染をまき散らすものなのだ。こういう工事を許してはならない。
6日はポセイドン1の動きはなかった。バカでかい図体で大浦湾に居座っているが、停泊しているだけで経費はバカにならない額だろう。その実態を明らかにすべきだ。まさに税金の無駄遣いである。