10日はカヌー14艇、抗議船3隻でフロートやオイルフェンスの張り出しに対する監視行動を行った。長崎(辺野古岬)と長島の間にフロートが張られたので、次は長島の北側から大浦湾の航路に向けてオイルフェンスが張り出されることを警戒し、カヌーは長島の南側のフロート沿いや北側の大浦湾で、作業船の動きを見ながら待機した。
この日は大浦湾の長島近くにあるアンカーに黒い浮き球を取り付けたくらいで、オイルフェンスの張り出し作業は行われなかった(カヌーが引き揚げた午後4時までは)。午後、環境調査をやっているという船が来て、海保のGBから「潜水作業をやるので近づかないで」と注意があった。フロートをはさんで見ていると、船の上から長島周辺の様子を眺めただけで引き揚げていった。
環境調査と言っても沖縄防衛局が行うそれは、新基地建設を前提にしてあたかも自然環境に配慮しているかのように装う欺瞞に満ちたものだ。そのような環境調査を担う自然科学の「専門家」はやましさを感じないのだろうか。ろくな調査もせずに引き揚げたのは、カヌーや抗議船の前ではできないような後ろ暗さのある環境調査ということなのだろう。
曇り空が続き、先週よりは冷え込んだ。海に手を入れると海水の方が温かい。フロートやオイルフェンスの張り出しがないのはよかったが、長時間カヌーに乗って待機するのは見た目以上に大変だ。風や潮の流れに逆らって漕ぎ続けなければならない。下半身は常に濡れた状態なので、腕だけでなく足腰の負担も大きい。
作業船に動きがあれば、すぐに対応できるように観察し、集中力を持続するのも、8時間にも及ぶと簡単ではない。午後4時までカヌーチームは監視行動を続けて、大半が自走で松田ぬ浜に戻った。こういう行動がこれから延々と続く。ヤマトゥに住む者たちが沖縄に基地を押しつけるが故に。怒りの矛先は日米政府だけに向けられているのではない。