17日は午前中、名護市安部のMV22オスプレイの墜落現場に行き、カヌーと船で海上から抗議行動を行った。15日に比べてオイルフェンスが広げられ、海中に残った残骸がその中にほとんど入ったこともあってか、米軍のゴムボートがそばを走って妨害することはなかった。
海岸の岩場に乗り上げていた胴体の後尾部分は、竜の字が記された垂直尾翼が切断され、すでに回収されて一部が残っているだけだ。この日は午前中、潜水士が海中の破片や部品を拾ってゴムボートに乗せ、浜辺に運んで回収する作業を行っていた。
沖縄県警や海上保安庁は目の前で事故の証拠が持ち去られていくのに何一つ手出しができない。日米地位協定によって米軍が民間地域で事故を起こしても捜査権を行使できず、主権国家の態をなしていない。
高江や辺野古で基地反対の運動を進めるリーダーを、証拠隠滅の可能性を口実に長期勾留するのに、米軍に対しては証拠を勝手に持ち去っても何もしないし、できない。この対比は日本政府がいかに米国に隷従し、言いなりになっているかを示している。沖縄県民を守らずに米軍を守り、すべては米軍優先。なんと情けなく醜い国だろうか、日本は。
無惨に砕け散ったローターの残骸が波の上に出ている。回転したまま墜落し海底の岩に当たってボロボロになったのだろうか。オスプレイの墓標よろしく墜落場所の目印になっている。現場は浅瀬のため干潮時に露出した時、切断・解体するしかないのだろう。
日が差すと海の色が鮮やかになり、底が透けて見える。地域住民にとっては魚や貝を採る恵みの海だったのが、墜落した機体から放射性物質や有毒物質が流れ出した危険がある。残骸が撤去された後も、地域住民は不安で貝や魚、タコを捕れないだろう。米軍事故は地域住民の命を脅かすだけでなく、生活や文化も破壊していくのだ。
辺野古のテント2の猫に久しぶりに触れた。午後はゲート前で集会があったのだが、疲れが溜まっていて車で仮眠をとった。
午後4時頃もう一度安部の海岸に行き、別の場所からオスプレイの残骸の様子を眺めた。この日の回収作業はもう終わっていて、ゴムボートが残っているだけだったが、砂浜や海岸の岩場を歩いてすぐ目の前に機体の残骸があることの深刻さを、多くの人に現場で確認してほしい。
日本政府はこの事故を利用して、普天間は市街地で危険だから辺野古に移せ、と新基地建設再開を急ごうとしている。オスプレイの飛行再開を急ぐ米軍に物申すこともないだろう。沖縄県民はみずからの力で自らの命を守るしかない。いつまでもこの島で米軍をのさばらせてはいけない。
17日から名護市立図書館の1階ロビーで、高江の動植物や抗議行動、ヘリパッド工事の問題点を指摘した写真展が開かれている。月曜日は休館で25日(日)まで。ぜひ足を運んでほしい。