9日は早朝から作業員が乗った車両に対する抗議行動が取り組まれた。睡眠時間が3時間しか取れずきつい状態だったが、行動が始まると警察と対峙し瞬時の判断を続けないといけない。工事も終盤になっているが、早朝から来るだけあって皆粘り強く、作業員の車両がH・G地区につながるゲートに入ったのは午前8時半頃だった。
H地区では前日(8日)から保護材の貼り付けが始まっている。接地帯に緑の保護材を貼ったあと、赤土を入れて均す作業が続けられたが、この日で全体の4分の1ほどが進んだ。
同時に赤土流出防止策の撤去、片付けも行われていた。上層路盤の検査が終わったというのにバックホーを乗り入れ、キャタピラーで路盤を崩している。先に防止柵を片付けてから上層路盤の仕上げを行えばいいものを。作業手順が場当たり的としか見えない。
排水路の作業も進められていたが、本来ならコンクリートを打つべきところを、コンクリートキャンバスを貼ってすませようとしている。ヘリパッドの年内完成という体裁を整えるための一時しのぎか。
南側法面の芝生貼り付けは終わったが、盛り土部分と本来の地面との調整がうまくなされず、段差が生じている。完成を急がされるなか、この部分の手直しで余分な時間を費やすことになる。
22日の返還式典後も大量の砂利を搬入すれば、ヘリパッド完成が虚構であることを自ら明かすことになる。そのために22日以前にできるだけ砂利を搬入したいのだろう。訓練場内を移動する4トンダンプカーの過積載がひどい。
以前は市民が注意すると、若干積載量を減らしていた。しかし、今は市民を無視して過積載を続けている。それだけ余裕がなくなっているのだろう。沖縄防衛局はそれを容認し、警察は見て見ぬふり、労働基準監督署はなめられて、作業員のやりたい放題の状況だ。
無障害物帯に残った切り株からひこばえが生えている。そういう木がいくつもある。しかし、やがて断面にチエンソーで切れ込みが入れられ、枯らされる運命にある。二重、三重に森は破壊され続ける。
9日は午後からG地区のヘリパッド建設現場の状況確認に市民数人が訪れた。地形が平坦なため他地区に比べれば工事がやりやすく、すでに完成したと思われていたが、まだ保護材の貼り付けを行っている段階で、思っていたよりも作業の進行が遅れていた。
保護材は午後3時頃で6割ほどの貼り付けが進んでいた。沖縄防衛局は、返還式典までに接地帯に芝生を張り付けて、見かけだけは完成したように見せたいだろう。しかし、竣工予定まで1週間前にもかかわらず、まだこのような状態だ。政府・沖縄防衛局が打ち出す「完成」の虚構性と欺瞞が、現場の状況を見ると明らかとなる。