10日も夜が明けないうちからヘリパッド建設に対する抗議行動が取り組まれた。10・11日の両日にわたり高江ヘリパッド建設阻止、辺野古新基地建設阻止の集会が全国各地で開かれた。N1表ゲート前でも集会が開かれ700人が集まった。早朝から抗議行動の参加したメンバーの多くも午前中、同集会に加わった。
午後3時前、市民10数人がG地区のヘリパッド建設現場を訪れ、作業の状況を確認した。接地帯への保護材設置を敷き詰める作業は終わり、赤土を入れて均す作業が行われていた。前面に赤土を入れ終えると、その上に芝生の貼り付けが行われる。午後4時に作業が終了したが、全体の4分の1ほど赤土が入れられていた。
H地区方向から赤土が運ばれてきたが、保管場所まで距離があるのか時間がかかり、冷気で土をならしていた作業員たちが手を休めて待っている場面が見られた。
法面に張り付けられた芝生に散水作業も行われていた。散水車や作業車が行き来する工事用道路が、接地帯の西側半分を囲うように奥の米軍歩行訓練道路に続いている。本来、この道路は敷き詰めた砂利を取り除いて芝生を敷かなければならない。しかし、歩行訓練道路の工事が終わらないので、砂利を撤去できないでいる。
接地帯に芝生を敷き詰め、周辺の無障害物帯にチガヤの種子を吹き付ければ、緑の液体で土の色を隠せる。しかし、接地帯のすぐそばに工事用道路を残して完成と言えるはずがない。日本政府と沖縄防衛局は22日の返還式典に向け、見かけだけは完成したと取りつくろうのに懸命だ。
各ヘリパッド建設現場を見るたびに、3~4か月前までこの地が深い森だったとは思えない変わりように怒りが込み上げる。やんばるの森の中でも生態系の豊かさが言われていた場所に、醜悪な空間が穿たれた。その工事を行った作業引退の多くはヤンバルンチュだが、米軍基地の北部集中でいずれわが身に基地被害が降りかかることになる。
辺野古新基地、北部訓練場、伊江島補助飛行場を結ぶ三角形とキャンプ・ハンセン、北部に集中する海兵隊基地をMV22オスプレイが飛びまわり、いつか重大事故が発生するだろう。基地の被害に主義主張など関係ない。賛成、容認、協力した沖縄人も犠牲となる。
日本の安全のために沖縄は危険と犠牲を引き受けよ。森に穿たれた4つの穴は日本政府の沖縄を愚弄するメッセージである。怒りと憎しみをもってそれを眺めよう。