東村高江のヘリパッド建設に反対する住民二人に対し、国が交通妨害を理由に弾圧をかけてきた裁判の判決が14日にあった。那覇地裁は住民のひとり安次嶺さんについては国の請求を棄却したが、もうひとりの伊佐さんについては請求を認める不当判決を下した。琉球朝日放送が裁判の様子や判決の意味を伝えている。
http://www.qab.co.jp/news/2012031434389.html
15日付沖縄タイムスと琉球新報も、判決内容を批判する社説を掲載している。
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-03-15_31067/
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-188647-storytopic-11.html
沖縄に米軍基地ができてから67年間、沖縄の住民は反基地運動をたたかいつづけてきた。米軍が銃剣と銃口を突きつけて弾圧するのに、体をはって立ち向かったことも少なくない。なぜそこまでやるのか。自分たちの命と生活がかかっているからだ。沖縄の反戦・反基地運動は理念やイデオロギーが先にあるのではなく、自分たちの生存を守るという切実な要求が先にある。
沖縄では、基地は金網を隔てて住宅地のすぐそばにあり、米軍は住民の生活空間に侵入し、陸も海も空も好き勝手に演習を行っている。それに対し、地域住民が抗議・抵抗するのは当たり前のことだ。それは自分たちの生存を守るたたかいであり、それを否定することは地域住民の生活と安全を脅かすことに直結する。
本来、住民が安心して生活を営めるように努めるのが国の役割である。それを怠り、逆に脅かしておきながら、抗議する住民を裁判に訴える国の行為は、けっして許されるものではない。国は巨大な権限と金を握り、いざとなれば軍隊や警察という暴力装置を行使することもできる。小さな集落の住民との力の差は圧倒的であり、住民が座り込みや人間の鎖で抵抗するのは、最低限かつ当然の権利である。
政府・防衛省・沖縄防衛局は、このようなスラップ訴訟で沖縄の住民運動を萎縮させられると思ったら大きな間違いだ。田中聡前局長の暴言事件、辺野古アセス評価書の未明持ち込み、真部朗局長の宜野湾市長選挙介入、MV22オスプレイの配備隠し、そして高江のスラップ訴訟と、沖縄に米軍基地を押しつけ、差別政策をつづけるために手段を選ばない国の姿勢は、県民の不信と反発、怒りを呼び起こすだけである。
高江ヘリパッド建設や辺野古新基地建設、先島への自衛隊配備など、沖縄のいっさいの軍事基地強化に反対しましょう。