4日は瀬嵩の浜から8艇、辺野古の松田ぬ浜から4艇のカヌーが海上行動に出発した。瀬嵩の浜から出発したカヌーはフロートまで漕ぐと、辺野古弾薬庫下の海域で待機しながら、米軍のプライベートビーチ隣の浜で進められている工事の様子を監視した。
埋め立てに向けた護岸工事を行うため、浜で工事用道路の建設が進められている。浜の斜面に割栗石を詰めた網袋を置いて水平にし、その上に鉄板を敷いて仮設の道路を建設しており、名護市教育委員会の文化財調査も終わらないうちに工事をしていることに、カヌーと船から抗議した。
この日は午前と午後の2度、カヌーでフロートを越え浜の工事に抗議した。午前の抗議ではカヌー3艇が浜の工事現場の近くまで行き、名護市教育委員会の文化財調査を無視して工事を進めていることを批判し、すぐに工事をやめるよう訴えた。
すぐ近くまでカヌーが来たことに驚いたのか、作業員たちは工事を止めて様子を見ていたが、しばらくして奥の方に引き揚げていった。
フロートを越えて浅瀬に漕ぎ進んだので、海上保安庁のゴムボートは近づくことができず、保安官が泳いでカヌーを拘束するのも手間取って、かなりの時間抗議が続けられた。棒付きのフロートをめざしたカヌーも含めて、最後は海保に全艇拘束され、カヌーメンバーはフロートのそばで抗議船に戻された。
上の写真は浜の近くから見た工事現場の様子。ゲートからダンプカーで入る割栗石は、網袋に入れられてこのように使用されている。今後、工事が進めば仮設道路や仮設桟橋建設のために海岸近くの海にも大量に入れられる。米軍基地内の陸上に上がって阻止行動がとれないなら、ゲート前で石材が入るのを止めるしかない。
この海岸一帯は名護市教育委員会の文化財調査が予定されているとのことで、名護市に何の相談もなく工事が進められていること自体が大きな問題だ。同地域は沖縄戦の際、大浦崎収容所が置かれた場所であり、砂地で穴が掘りやすい浜一帯に遺体を埋葬した可能性もある。
翁長知事が工事の中断を求めていることを承知で、あえて見せつけるように浜で工事を進め、沖縄の民意を力でねじ伏せて、県民にあきらめと無力感を作り出す。これが日本政府・防衛省・沖縄防衛局の狙いである。であるなら今まで以上に抗議・阻止行動を作り出し、米軍にも怒りの矛先を向ける必要がある。
工事用道路の建設と同時に、米軍のリゾートビーチにはフロートが並べられ、建物の解体工事も行われていた。
午前の抗議では、浜の工事に抗議する班と棒がついたフロートに抗議する班に分かれた。フロートに達したメンバーもいて、棒付きフロートの形状を確かめることができた。4本の棒がついた台の上(間)にフロートが載っている形だが、カヌー対策ならよくまあこんなことに予算をかけるものだ。
辺野古新基地建設のために数千億という金が浪費され、それを食い物にしようと政治家、官僚、地域ボス、建設業社が群がる。このフロートも辺野古利権の一つであり、特注で儲けた企業があるだろう。「沖縄の負担軽減」「普天間基地の危険性の除去」というきれいごとの裏で、自分の懐に入る札束を数えている奴らがいる。 沖縄をこれ以上そういう連中の食い物にさせてはならない。