16日は前日に続き部屋で原稿を書いていたが、その合間に名護市議会に、マイナンバー法廃止に関する陳情の説明に行った。「監視社会ならん!市民ネット沖縄」は、県内の各市町村議会に陳情書を提出していて、9月10日に豊見城市議会、15日に北谷町議会で趣旨説明を行ってきた。16日は名護市議会に対し30分ほど趣旨説明を行った。
陳情に共感すると述べた議員もいて、問題含みの制度であることを踏まえて質問した議員もいた。名護市議会として実際にどのような対応ができるか、という課題が述べられていたが、問題を残したまま政府が見切り発車しないように、ぜひ名護市議会として何らかの意思表示をしてもらいたい。
以下に「監視社会ならん!市民ネット沖縄」の陳情書を引用して紹介したい。
マイナンバー法廃止に関する「陳情書」
私たちは、公権力による市民監視体制に反対し、表現の自由と市民の知る権利を守る活動をしている市民団体です。これまで安倍政権の「特定秘密保護法」や「マイナンバー(共通番号)法」の強行採決に抗議し廃案を求める運動をしてきました。政府は10月から共通番号「通知カード」の送付を強行すると言います。
マイナンバー制度は、税、社会保障だけでなく医療情報、貯蓄や株保有に至るまで国民の個人情報を連携し、国が一括管理できるシステムです。国民の内容理解は進まず、情報保護関連サービスを手掛ける「エフセキュア」の調査によると「セキュリティ―対策が完了している」と答えた自治体は、わずか8%にとどまっていると報道されています。
6月1日、日本年金機構は、年金情報が大量に流出したと発表しました。流出した情報は、沖縄、和歌山、東京の3施設で125万件に上ります。そのうち6割の74万3千件が沖縄県です。125万件の番号の変更には時間がかかり、その間、漏れた番号が犯罪に使われないか、県民の不安は拭えません。和歌山県などの事務センターで年金情報を入力する業務に携わっていた110人が、2か月分の給料未払いのまま解雇されていたことに、安倍政権の情報管理の杜撰さ無責任さが示されています。国民の個人情報を一括管理できるマイナンバー制度で漏えい事故が起きると年金情報の比ではありません。アメリカでは「社会保障番号」のなりすまし被害が、年間500億ドルに上り大きな社会問題になっています。
さらに問題は、法律が施行されないうちに「利用拡大法案」が提案され、衆議院で可決されたことです。社会保障と税を名目に成立したこの法律では「施工後3年をめどに利用拡大について検討する」と定めています。にもかかわらず、施工以前に法改定するとは極めて異常なやり方です。年金情報流出事件の全容解明、再発防止の対策も講じられない状況で「マイナンバー(共通番号)制」を見切り発車させる政府の意図は何でしょうか。安倍政権は、国民の反対の声を踏みにじり憲法違反の「安全保障関連法案」を強行成立させようとしています。「秘密保護法」の制定、「盗聴法」の改悪など国民管理・監視体制を強めています。そのために「国民総背番号」としてマイナンバーを必要としているからではないでしょうか。将来は「徴兵制」に利用されるのではないかと懸念されますす。
私たちは、10月5日の「番号通知」を停止し、この危険な「共通番号制」を見直し、廃止することを求めます。
貴議会におかれましては、次の点のについて決議していただきたく陳情いたします。
1、年金情報流出事件の全容解明と再発防止策を徹底すること。
2、番号利用拡大法案を廃案にすること。
3、10月4日の番号通知を停止すること。
4、興津番号制度そのものを廃止すること。