14日は所用があり那覇に出かけた。そのあと午後から嘉手納町の沖縄防衛局に行き、「監視社会ならん!市民ネット沖縄」による同局への申し入れに加わった。キャンプ・シュワブのゲート付近に設置された監視カメラの動画が流出した事件に関する申し入れで、以下に全文を引用して紹介したい。
キャンプ・シュワブ監視カメラ動画流出事件への申入書
貴職におかれましては日々御清祥のことと存じます。
キャンプ・シュワブのゲート付近に設置された監視カメラの動画が流出し、県内在住の男性によってインターネットで公開されました。県内メディアの報道によれば、流出に関与したのは在沖海兵隊政務外交部次長のロバート・エルドリッジ氏で、すでに懲戒処分が行われたとのことです(2015年3月20日付琉球新報ほか)。
民間企業においてさえ、監視カメラの管理は厳重になされています。ましてや米軍基地のそれは軍事機密にも関係し、より厳しい管理が行われているはずです。それが米軍幹部によって撮影記録が外部に持ち出され、民間人に渡されてインターネットで公開されるという事態に驚きを禁じえません。たんなる一個人の服務規律の問題ではなく、米軍が世論操作を狙って組織的に行った情報工作ではないか、という疑念さえ抱きます。
ゲート前の市民を無差別に撮影、記録する監視カメラの設置は、それ自体が市民のプライバシーを侵害し、抗議活動への弾圧を狙ったものであり、許されるものではありません。あまつさえ、ずさんな管理によって動画が外部に流出したり、情報工作に利用されるなら、米軍によって市民の生活が脅かされます。
沖縄では日本復帰前に米陸軍対敵諜報部(CIC)によって市民が監視され、弾圧されたという忌まわしい歴史があります。今回のキャンプ・シュワブ監視カメラ動画流出事件は、それを思い起こさせます。けっして看過できない重大な問題として、私たちは以下のことを要求します。
1、今回の動画流出の経緯を具体的に明らかにし、沖縄県民に謝罪すること。
2、動画を流出させた人物の処分内容を明らかにすること。
3、キャンプ・シュワブ・ゲート付近に設置されている監視カメラの設置はどこが行った のか。また、管理、責任はどうなっているかを明らかにすること。
4、キャンプ・シュワブ・ゲート付近に設置されている監視カメラを撤去すること。
以上、引用終わり。
こういう申し入れに対し、沖縄防衛局が誠実に対応する確率は、ヤンバルクイナが全日本柔道連盟の会長になる確率より低いかもしれない。対応したのは、木山純(調達部計画課課長補佐)、平良勝(調達部計画課課長補佐)、島袋博(地方調整課基地対策室室長補佐)という面々で、用意した回答を読み上げてあとは余計なことを言うな、という上の指示に忠実に従っていた。
そのことを批判されると木山という若い職員は、ママにもそんなに厳しく叱られたことないのに…、と言いたげな顔で部屋を出ようとしたが、児玉という上司に助けられて、どうにか椅子に座っていた。沖縄防衛局の回答は、経緯は承知していない、警備に関することは答えられない、の一点張りで予想通りのものだったが、米軍に何も言えない日本政府・防衛省の属国ぶりを情けないほど示していた。
しかし、沖縄防衛局が臭いものには蓋をしたくても、在沖米軍の幹部(ロバート・エルドリッジ)がネトウヨ(手度根安則)と結託して意図的に監視カメラの動画を流出させたという大失態は、すでにあまねく知られている。本来なら、沖縄防衛局はこのような米軍の失態を批判し、再発防止を要請すべきだろうが、対米隷従の安倍政権下では無い物ねだりにすぎないようだ。だからといって沖縄県民がそれを黙認するわけにはいかない。キャンプ・シュワブ・ゲートの監視カメラを撤去せよ、という声をあげましょう。