30日は全体で17艇のカヌーが海に出た。3艇は瀬嵩の浜で練習をし、14艇が辺野古崎の岩場を抜けて、長島周辺で午前・午後と抗議行動を行った。30日は翁長雄志知事が出した海上作業停止指示の猶予期間(7日間)の最終日だった。それにあわせて林芳正農水大臣は、翁長知事の指示の効力を一時停止する決定を下した。
法の抜け道や裏技を使うのは官僚の得意とするところだろう。もはやなりふりかまっていられない、とばかりに知事の権限を無効化し、地方自治を圧殺しようとしている。翁長知事と面会することもせず、選挙で何度も示された沖縄の民意を踏みにじって、海底ボーリング調査を強行する安倍首相や菅官房長官の姿は、独裁国家の権力者とどこが違うだろうか。
様子を見ながら長島の間を抜けて大浦湾に出た。海上保安庁の警告がいちだんとかまびすしくなる。先週は海が荒れて木・金・土と海底ボーリング調査の作業が中止となった。遅れを取り戻すために29日は日曜日なのに作業が行われた。30日も沖縄県民に挑戦するかのように作業が行われていて、スパッド台船の上には作業員の姿が確認できた。
午前・午後とスパッド台船に向けて漕ぎ、抗議をしては海保のゴムボートに「確保」=不当拘束される、ということがくり返された。スパッド台船やクレーン付台船まではかなりの距離があり、海保の弾圧態勢がしかれているなか、手漕ぎのカヌーで近づくのは容易なことではない。
それでも、カヌーや船のメンバーが連日海に出て抗議を行ってきたからこそ、海底ボーリング調査期間の延長が4ヶ月以上に及び、新型フロートの設置にともなう岩礁破砕の問題も生じている。キャンプ・シュワブのゲート前でも24時間のたたかいが続いている。1回1回の抗議行動は海保や機動隊の力で抑え込まれているように見えても、その積み重ねはボディブローのように確実に効いている。
沖縄県民は国の横暴に屈しないということを行動で示しましょう。
「日刊ゲンダイ」に載ったインタビュー記事です。ご一読を。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/158422