激しさを増す沖縄の反基地運動に対して、米軍幹部による暴言がくり返されている。在沖米海兵隊報道次長が県警の弾圧で怪我をした住民に対し「茶番」と嘲ったかと思えば、東村高江区の住民に対しては北部訓練場の司令官が「反対運動は共産党からお金をもらっている」と発言している。また、在沖米海兵隊・政務外交部次長のロバート・エルドリッジのシンクタンクに対するコメントも問題になっている。
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=102473
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-238818-storytopic-271.html
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=102775
沖縄には「狼魔人日記」の江崎孝やオスプレイ・フアンクラブの手登根安則といったネトウヨ(ネット右翼)がいて、沖縄の反戦・反基地運動やマスメディアに対するデマをたれ流し、不信煽りを熱心にやっている。最近は米軍との交流も活発なようで、そのせいもあってか米軍幹部のネトウヨ化が進んでいるようだ。
米軍に媚びる沖縄のネトウヨと県民への宣撫工作を進めたい米軍幹部が互いに利用しあい、知性、品性ともに劣化が進んでいるといったところか。しかし、米軍幹部があからさまに沖縄の反基地運動を侮蔑し、「金をもらっている」というデマを拡散するのは、自らの首を絞める行為でしかない。
米軍がいくら「よき隣人」や「トモダチ」を装って市民との交流を図ろうと、米軍幹部の暴言はそれらの努力を一気に吹き飛ばす。ああ、これが米軍のホンネなんだな、と県民に認識させ、反発と怒りを呼び起こして、宣撫工作は頓挫する。敗戦から70年の沖縄の歴史は米軍支配とのたたかいの歴史でもあり、多くの住民が反基地運動に参加してきた。植民地の支配者でもあるかのような米軍の傲慢さを、ウチナンチューは誰よりも知っている。
MV22オスプレイの配備に反対して普天間基地の主要3ゲートを実力で封鎖したことや、現在キャンプ・シュワブのゲート前で24時間の抗議行動が行われていることなど、沖縄の反基地運動は激しさを増している。その実態を直視せず、ネトウヨレベルの分析や「情報戦」しかなし得ないで、米軍幹部は沖縄の反基地運動の火にさらに油を注ぎ込む愚行をくり返している。
こういう米軍が沖縄や日本を守ってくれている、という幻想を抱くのはやめよう。米軍はあくまで米国の利益のため、使い勝手のいい基地として沖縄を利用しているのだ。尖閣諸島問題一つを取ってみても、沖縄・日本のために米軍が中国に対し軍事力を行使すると考えるのは、愚の骨頂である。米軍を沖縄に引き留めるためにわざわざ新基地を造ってくれようという日本政府を、彼らは腹の中で笑いながら、思い通りにならない反基地運動に苛立っているのだ。