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Channel: 海鳴りの島から
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キャンプ・シュワブでの水陸両用車の訓練と沖縄の自衛隊強化

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https://www.youtube.com/watch?v=oDU2_ekATPE

https://www.youtube.com/watch?v=rWFO2b7h1PQ

 7月11日午後にキャンプ・シュワブの沿岸部で行われた米海兵隊の水陸両用車(AAV7)の訓練の様子である。ジュゴンやウミガメの生息地で、エサとなる藻場や珊瑚礁を破壊して、キャンプ・シュワブでは日常的にこういう訓練が行われている。

 それでも、砂浜や海が残っているうちはまだいい。日米両政府はこの砂浜と海を埋め立てるための準備を着々と進めている。12日付琉球新報は沖縄防衛局が、〈市民らの海上抗議活動を排除するためのブイ設置に向けた準備を週明けから本格化させる〉と報じている。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-228401-storytopic-53.html

 キャンプ・シュワブや北部訓練場などを使って、沖縄で鍛えられた兵士たちは、ベトナムやアフガニスタン、イラクなどで殺戮と破壊を行ってきた。かつて戦時下のベトナムの人たちは、米軍の出撃・兵站の拠点となっている沖縄を「悪魔の島」と呼んだ。辺野古の海で行われている訓練を見れば、「悪魔の島」の実態は今も変わらない。沖縄において米軍の訓練、駐留に反対することは、米軍からの被害を拒否するのみならず、米軍を支えて加害の立場に立つことを拒否することでもある。

 写真の水陸両用AAV7装甲兵員輸送車を、自衛隊がいま導入しようとしている。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-02-11/2013021102_03_1.html

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140416/plc14041611520010-n1.htm

 島嶼防衛を口実に自衛隊の海兵隊化が進んでいる。導入されるのはAAV7だけではない。MV22オスプレイの導入も進められている。7月12日付琉球新報は、〈米国訪問中の小野寺五典防衛相は10日、ワシントンで記者団に対し、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの購入費を2015年度予算の概算要求に計上する方針を明言した〉と伝えている。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-228400-storytopic-3.html

https://www.youtube.com/watch?v=ZAN3R228So4

 自衛隊が導入しようとしているAAV7やオスプレイは、尖閣諸島防衛を口実として、沖縄での訓練や運用が図られる可能性が高い。このような装備面での強化だけでなく、尖閣諸島がある先島地域には、与那国島への沿岸監視隊の配備に続き、石垣島、宮古島に陸上自衛隊警備部隊の配備も検討されている。

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=70039

 宮古島ではこれまで下地島空港の軍事化も問題となってきた。下の記事もその地ならしの一つだろう。自然災害を利用して自らの存在をPRするのは、自衛隊だけでなく米軍もやっていることだ。小野寺防衛大臣がオスプレイ導入を打ち出していることとも無関係とは思えない。

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=76176

 与那国島に沿岸監視隊を配備する際、自衛隊は10年ほど前から周辺海域での訓練時に隊員を島に上陸させ、商店で買い物をして「経済的貢献」を演出していた。島で行われるマラソン大会などにボランティアとして協力したり、災害救助訓練などを通して地域に浸透していった。そうやって部隊が受け入れられるよう宣撫工作を重ねたうえで、沿岸監視隊の配備を打ち出していった。宮古島や石垣島でも同じことが行われている。

 先島地域に自衛隊部隊が次々と配備され、装備面でも自衛隊と海兵隊の一体化が進む。それが中国の対抗的な軍事強化を呼び起こして、先島地域の軍事的緊張が高まっていくのは目に見えている。政府はむしろそれを望み、中国の脅威をあおり立てて、下地島空港の軍事化を進めていくだろう。

 そういう日本政府の思惑通りに事を運ばせれば、沖縄は再び戦争の危険にさらされる。戦争まで行かなくても、尖閣諸島をめぐって軍事的衝突が起これば、先島地域をはじめ沖縄に訪れる観光客は一気に減る。沖縄経済が受ける打撃は計り知れない。

 沖縄における自衛隊の強化は、沖縄を守るために進められているのではない。沖縄を犠牲にしてヤマトゥ=日本「本土」を守るために進められているのだ。二度と悲惨な目に遭わないために、ウチナンチューは今こそ歴史から学ばなければならない。

 


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