4日は午後7時から名護市民会館大ホールで稲嶺進名護市長と玉城デニー衆議院議員の訪米報告会があったので聴きにいった。ほぼ定刻に会場に着いたのだが、1階は満席とのことで2階席にまわった。
最初に稲嶺市長がスライドを使いながら各訪問先での要請活動の様子を報告した。5月15日から24日の間に、コロンビア大学学生向けのワークショップなどトークイベントが4件、上院・下院議員との面談が12件(本人対応4件、補佐官対応8件)、政府機関等への要請が4件、シンクタンク・有識者との面談・ミーティング等が16件、メディア取材が13件と、沖縄・名護の実情を伝えるために精力的に活動してきたことが、写真とレジュメを使いながら報告された。合間にはニューヨークとワシントンの県人会との交流もあったとのこと。
稲嶺市長は、仲井真知事の埋め立て容認を厳しく批判しながら、それによって米政府関係者、シンクタンク研究員などが「もう終わったこと」と片づけようとしていることに対し、名護市民は私を再選させることで辺野古新基地建設に反対の意思を示した、と地元市民の声を伝えたことの意義を強調していた。
玉城デニー議員からは、米国側の対応のヒジュルー(冷たさ)と、それにめげないように移動の車中で稲嶺市長と歓談しながら、米議会開会中で厳しいスケジュールの議員たちをまわったこと。次期政権に入ることを考えて政府寄りの対応しかしないシンクタンク研究員との話し合いなどの苦労話が語られていた。稲嶺市長から玉城議員に、明るいキャラクターに助けられたことや、国会議員と同行していることで有力者と会えたことへの感謝も述べられた。
会場からの質問で、訪米の時期が遅すぎたのではないか、というのがあった。仲井真知事の辺野古埋め立て容認がすでに出されていることを見てそう言っていたようだ。しかし、稲嶺市長が訪米して、知事の容認に沖縄県民や名護市民の大多数は反対であること、選挙公約を破った知事への厳しい批判が続いていることを、米国の政府関係者、議員、シンクタンク、メディア、市民に直接伝えたことにまず大きな意義がある。
米国の政府関係者が「すでに終わったこと」と片づけようとするのは、見たくない現実から目を背けているだけのことだ。しかし、沖縄県民が辺野古新基地建設に激しく抗議し、工事強行に粘り強く抵抗していけば、彼らも無視を続けることはできなくなる。それに故に、日本政府・防衛省は、力尽くで反対運動を圧殺していく構えだ。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-226513-storytopic-11.html
多くの人が辺野古現地に集まり、行動しなければ、工事は短期間で終わる。少人数では簡単に排除されるし、全国から動員された防衛局員や雇われた警備員、作業員に囲まれて身動きひとつできないだろう。県知事選挙も大事だが、まず現地での反対行動が盛り上がらなければ、埋め立て工事が一気に進められかねない。沖縄の将来を左右する夏に傍観者ではいられない。