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Channel: 海鳴りの島から
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オスプレイ配備の宣伝屋議員

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 1月21日は午後からティダの会と新基地建設問題を考える辺野古有志の会で、MV22オスプレイの配備に反対するビラを辺野古区と豊原区を中心にまいてきた。そのオスプレイについて、国民新党の下地幹郎幹事長がアメリカで試乗したとかで、〈安全性の向上〉や〈騒音軽減〉を強調している。

http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-01-21_28761/

 米国政府・米軍がこの時期に、日本の国会議員やメディアを招いてオスプレイに試乗させている政治的狙いは分かりやすい。秋以降に普天間基地へのオスプレイ配備を控え、辺野古「移設」にむけた環境影響評価書の審査も行われているなか、〈安全性の向上〉や〈騒音軽減〉を強調し、〈未亡人製造器〉と呼ばれる負のイメージと住民の不安を払拭する。そのための宣伝役を務めてほしい。そういう米国政府・米軍の意図に従って、忠実に実行しているのが下地幹郎議員というわけだ。
 その忠犬ぶりでさぞかし米国では厚遇されたことだろうが、無論、下地議員もしっかりと見返りを計算しているはずだ。米国政府・米軍や日本政府・防衛省に恩を売ることによって、米国要人との人脈作りや野田政権に対する影響力の拡大を図り、自らの政治基盤を強化する。それはいずれ米軍や自衛隊の基地関連工事の利権につながっていく。
 下地議員が県民から反発を受けることを分かっていても、あえてオスプレイの宣伝役を務めるのは、普天間基地「移設」や先島への自衛隊配備が生み出す巨大な利権を押さえたいからだ。宮古島出身で大米建設がファミリー企業である下地議員は、先島への自衛隊配備・強化を以前から主張してきた。自民党・公明党が野党となり、県選出の自民党国会議員は島尻安伊子参院議員しかいない今、政府とのパイプを持つ下地議員にとって、沖縄の基地利権を仕切る絶好の機会なのだろう。

 下地議員はこの間、嘉手納基地統合案やキャンプ・シュワブ陸上案など、普天間基地の「県内移設」を主張してきた。それはオスプレイが配備されれば沖縄の上空を飛ぶことを前提にしている。そういう下地議員がオスプレイに否定的な見解を述べるのは最初から考えられない。むしろ、そのことをよく分かっていたから米国政府や米軍は、下地議員にオスプレイ試乗の機会をこの時期に与えたはずだ。実に白々しい”やらせ”である。
 環境影響評価書の審査会でオスプレイについて厳しい批判が続出し、宜野湾市長選挙が間近に迫るなかで、下地議員はオスプレイに実際に乗ったことを特権化して、騒音や安全性について日米両政府や米軍・防衛省の思惑に沿った発言をし、与えられた役割を果たしながら、自らの政治的影響力の強化に努めるだろう。基地利権でうごめくこのような政治家の跳梁を許してはならない。

 MV22オスプレイの沖縄配備は、CH46ヘリより航続距離、速度、積載量を大幅に向上させた最新鋭機を配備することにより、沖縄基地を強化することが目的である。そのことがまず問題にされ、批判されなければならない。安全性や騒音も問題だが、それが改善されているから配備していい、ということではない。沖縄の基地機能が強化されることによって、ますます基地の固定化が進み、米軍の侵略戦争に沖縄県民は加担させられていくのである。
 朝鮮半島、ベトナム、アフガニスタン、イラクで米軍がどれだけの殺戮を行ってきたか。それに沖縄基地がどのような役割を果たしてきたか。そのことを忘れてはならない。アジア重視を打ち出して対中国の軍事強化を進めているオバマ政権とそれに同調する野田政権は、北は高江(北部訓練場)から南は与那国島まで、琉球列島全体で米軍と自衛隊の基地建設・強化を図っている。その一環としてのオスプレイ配備なのだ。沖縄基地強化による被害と加害の両方の拡大を拒否するものとして、オスプレイ配備反対の運動を広げたい。

 


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