1月19日午後1時半から西原町のエリスリーナ西原ヒルズガーデンで、普天基地の「移設」にかかる環境影響評価書について沖縄県の審査会が行われた。飛行場部分に関する審査で、120席用意された傍聴席はほとんど埋まっていた。
http://www.qab.co.jp/news/2012011933261.html
冒頭の宮城邦治会長の私見をはじめ、各委員からは評価書の多様な項目について、環境への影響を過小評価している点に疑問や批判が相次いだ。
本来、準備書から評価書にいたる間で大きな変更を生じさせないようにすべきものを、今回はMV22オスプレイの配備について最終段階の評価書で初めて記載し、飛行経路も台形から楕円形に変え、滑走路の距離も短縮しA滑走路を主に使うとするなど、機種、飛行経路、滑走路の距離・使用形態という重要な3点が変更される異例の事態が生じている。それだけでも環境アセスメントの趣旨に反する重要な問題である。
上記の3点をはじめ審査会では、
・滑走路の距離が短くなったことによる安全性の問題
・飛行経路のイレギュラー(経路の逸脱)が常態化するのではないかという懸念
・事業全体の改変面積が明確でないこと
・土砂採取後の回復措置について林地と草地など記述が不統一なこと
・低周波が生活環境に与える影響について
・県の評価ランク1の地域が埋め立てられるのに可否判断の材料にならないとされていること
・土砂の調達地が明示されていないこと
・土砂の洗浄や調達先の環境保全の問題
・ジュゴンの辺野古崎周辺での活動、移動状況が軽視され、大浦湾・嘉陽沖だけで生息が十分であるかのように記述されていること
・オスプレイの排気ガスは温度が270度あるが、それがヤンバルの照葉樹林、生息する生物に与える影響について
・オスプレイとCH46ヘリの風圧の比較データの不足
・機体洗浄時に使用される水・洗浄剤・薬剤などの廃水処理とサンゴに与える影響を定量的に示すこと
・雨水の流出係数の精度について
・特色ある地形の露頭の記録について
・埋立による潮流の変化が大浦川のマングローブに与える影響について
など、数多くの疑問、不満、批判が出され、問題点が指摘された。
また、オスプレイ配備が評価書段階で示されたことについて、方法書・準備書までさかのぼって再調査されるべきではないか、という意見も出た。これについては休憩時間や審査終了後に、傍聴した市民からも審査委員や事務局に対して、知事は評価書のやり直しを求めるべきだ、という意見が述べられた。
記者のぶら下がり取材を見ていると、宮城邦治会長、堤純一郎副会長は、45日以内というタイトな時間の中で審査をやらざるを得ず、後戻りは不可能としつつも、オスプレイについてはやり直しの検討も考えているようだった。
次回の審査会は1月27日を予定しているとのことだった。多くの県民が傍聴して審査会や知事意見を注目し、議論を活発化させることが重要となっている。政府・防衛省の新基地建設強行を許さないために、環境影響評価書の問題点を暴き出し、辺野古新基地建設が住民生活、自然環境を破壊する実態を訴えていきましょう。
なお、環境影響評価書は沖縄防衛局のホームページや嘉手納・那覇・金武・名護などの事務所で公開されています。
http://www.mod.go.jp/rdb/okinawa/
高江のことが気になったのだが、19日も住民への嫌がらせを執拗に行っている。
トラックの荷台に並んで声を上げている様子は異様である。その異様さはオスプレイについて隠し続けたデタラメさと同じ根っこから発している。住民の犠牲や説明責任など頭になく、米軍様のためなら何でもやる。恥ずべき対米隷従の姿である。