6月28日から、辺野古新基地建設に向けて沖縄防衛局が県に提出した「公有水面埋立承認願書」の告示・縦覧が始まった。28日は午後から名護市役所に行き、「承認願書」を見てきたのだが、6冊で計約8800ページもある膨大なものだ。全体をざっと見て部分的に読むことしかできなかったが、これから何度か足を運びたいと思う。沖縄県庁のホームページでも公開されているが、縦覧場所で読んで県民が関心を持っていることを示すのも大切だろう。
http://www.pref.okinawa.jp/site/doboku/kaibo/kanri/event/kokujijuran.html
埋め立て土砂等の採取地として、沖縄島のほかに徳之島町、奄美大島の龍郷町、奄美市住吉町、瀬戸内町、鹿児島県錦江町、熊本県天草市御所浦町、長崎県五島市本窯町、香川県小豆島町、福岡県北九州市、山口県防府市、周南市などが挙げられている。ぜひ全国の採取予定地で、辺野古新基地建設反対の声をあげ、埋め立て用の岩ズリ採取に反対する運動を起こしてほしい。
http://www.pref.okinawa.jp/site/doboku/kaibo/kanri/event/documents/32.pdf
今年3月11日に名護漁業協同組合は臨時総会を開き、公有水面埋め立てに同意した。その時の「臨時総会議事録」も添付されているが、見てのとおりあちこち黒塗りされていて、臨時総会の内容を隠蔽している。よほど県民に見せられないような議論をやっていたようだ。議論の中身も公表できない臨時総会に、どれだけの正当性があるのだろうか。形式さえ整えればいいというものではないはずだ。辺野古新基地建設に伴う被害は、名護市民全体、沖縄県民全体が受けるのであり、議論の全容を県民に明らかにすべきだ。
閲覧後に辺野古に行った。キャンプ・シュワブの陸上部では、着々と工事が進められている。県道からも金網越しに、重機で土地が造成され、新たな施設が建設されている様子が目の前に見える。公有水面の埋め立てを伴う工事だけが問題となっているが、新築された兵舎をはじめ、すでに新基地建設はかなり進展しているのである。
日本政府は沖縄県民がどれだけ反対しようとそれを無視し、最後は力ずくでも埋め立て工事を強行する構えだ。金網の向こうで進んでいる工事の現実を、沖縄県民は自分の目で見て、強い危機感を持った方がいい。「辺野古は無理だ」という傍観者的な物言いは、状況把握を狂わせるものでしかない。県民が反対の意思を行動で示さなければ、政府・沖縄防衛局は増長して何でもやってくる。
漁港の北側にある辺野古の浜も、座り込みが行われているテントの前の干潟も、作業ヤードとして埋め立てられる。着工されれば写真の風景は永久に失われ、そこに棲む生物は死滅する。沖縄に残された貴重な自然を破壊し、住民の生活を犠牲にして進められようとしている辺野古新基地建設に、全国から反対していきましょう。