6月6日付琉球新報と沖縄タイムスに、東村高江の森で新種の生物が発見されたという記事が載っている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130606-00000003-ryu-oki
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130606-00000002-okinawat-oki
5月23日に高江ヘリパッドいらない住民の会と県内で自然保護運動に取り組んでいる皆さんが、沖縄県の環境政策課と環境保護課に対し要請行動を行った。要請の内容はN4で完成したとされるヘリ・オスプレイパッドの使用禁止や建設計画の撤廃、N4周辺の森の環境保全と復旧、1月にN4で発生した土砂崩落事故の資料公開と原因究明などを求めるものである。
県当局との話し合いのなかで、やんばるの自然を歩む会の玉城長正さんが、やんばるの森の価値について丁寧かつ熱心に説明を行い、専門家による調査を行ってほしいと訴えていた。そうすれば数多くの新種が発見されるはずだ、と強調していたのだが、対応している県職員の反応は鈍かった。
対応している職員たちの様子をそばで見ながら、これではやんばるの森が世界自然遺産に登録される可能性は薄いな、と思わざるを得なかった。縦割りの組織と役職の範囲でしか動けないにしても、できる限りのことはやろうという意思のある職員は、自ずからその熱意が伝わってくる。それが感じられなかった。
それは個々の職員の問題であると同時に、より根本的には仲井真弘多知事の姿勢、政治方針の問題だ。仲井真知事はやんばるの森を世界自然遺産にしようとどれだけ熱意を持って取り組んでいるのか。知事が本気で取り組む気なら、ヘリパッド建設工事を容認しづけることはできないはずだ。
MV22オスプレイの沖縄配備に反対しながら、オスプレイが使用する訓練施設の新たな建設を容認する知事の姿勢は矛盾している。この7月にも第2陣のオスプレイ12機が配備され、CH46ヘリのとの交代が完了しようとしている。ヘリパッド建設により森の破壊だけでなく、オスプレイの爆音、下降気流がやんばるの動植物を脅かし続ける。
それを容認して、世界自然遺産登録を求めても、どれだけの説得力があるだろうか。やんばるの森をはじめ、沖縄全体の自然環境の保全について、仲井真知事がどれだけ熱心に取り組むかが、個々の職員の姿勢にも反映する。7月からヘリ・オスプレイパッドの建設工事が再開されるが、知事は容認姿勢を転換すべきだ。
6月7日付の県内紙には次の記事も載っている。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-207678-storytopic-1.html
5月28日にF15戦闘機が墜落事故を起こしたあとも、嘉手納基地所属機の緊急着陸が続いている。戦闘訓練を行っている軍用機は、安全性を最優先する民間機とは飛行形態が違う。それだけ事故の危険性も高い。「一部訓練の移転」で「沖縄の負担軽減」となるかのような議論に乗せられてはならない。訓練そのものを止めさせなければ、県民は米軍機の事故に巻き込まれる危険にさらされ続ける。