朝鮮の「軍事挑発」をマスコミが大々的に宣伝している。テレビ、新聞ともに朝鮮が一方的に核やミサイルで米国や韓国、日本を脅しているかのような報道が大半だ。しかし、そもそもの発端は米韓軍事演習「フォールイーグル」にあり、とりわけステルス機能を持つ戦略爆撃機B2やF22戦闘機が演習に参加したことことが、朝鮮を刺激している。
朝鮮の空軍力は、米・韓のそれとは比較にならないほど脆弱なものだ。B2やF22にを投入して訓練を行えば、朝鮮が国家転覆の脅威を感じて対抗措置をとるのは自明であった。今回の事態は米・韓の軍事挑発の問題がまず問われるべきだ。米国も「刺激しすぎ」を自覚して軌道修正を図っている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130405-00000092-reut-kr
例によって朝鮮の軍事的「脅威」を煽る日本のマスコミの報道を利用して、政府・防衛省はシビリアンコントロール(文民統制)をなし崩しにし、自衛隊の権限拡大を進めようとしている。「破壊措置命令 非公表は不安をあおる」と題した4月9日付信濃毎日新聞の社説が、その問題を指摘している。
http://www.shinmai.co.jp/news/20130409/KT130408ETI090006000.php
米韓軍事演習に参加したF22戦闘機は、嘉手納基地から発進したものだ。沖縄が朝鮮に与えている軍事的脅威を自覚せず、朝鮮のミサイルの「脅威」を批判するだけでは一面的である。米・韓の軍事演習が同時に問題とされるべきであり、米・韓は朝鮮への軍事的挑発を止めて、事態の沈静化を図るべきだ。
朝鮮のミサイル発射には反対である。同時に、朝鮮の「脅威」を誘発して、軍事強化に結びつけようとする者たちの動きも許してはならないと考える。基地がある場所こそ狙われる。沖縄人はそのことを沖縄戦の体験で知っている。二度と戦争の被害者にも加害者にもならないという立場で、沖縄の基地撤去を進めていく必要がある。