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名護市の緊急市民集会

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 4月5日午後6時半から名護市民会館中ホールで「〜子どもたちの未来のために〜 辺野古埋め立て申請の撤回を求める緊急市民集会」が開かれた。あいにくの雨で会場が中庭から中ホールに変更となったが、市内外から主催者発表で1300人が詰めかけ、ホールからあふれるほどの盛り上がりだった。

 開会あいさつを行った西川征夫さん(副実行委員長)。3月17日に辺野古区長選挙が行われ、新基地建設を容認してきた現職から、西川さんが代表を務める「命を守る会」も推した新区長に替わった。西川さんは、3年前に誕生させた稲嶺市長を名護市民が支え、「県外移設」を一丸となって求めよう。日米両政府の沖縄差別を許してはならない、と呼びかけた。

 実行委員長あいさつを行う比嘉祐一さん(名護市議会議長」)。

 意見表明の一人目は名護高校1年生の渡具知武龍くん。1997年の名護市民投票の年に生まれ、子どもの頃から親に連れられて集会に参加してきた。子どもは子どもなりに大人たちのことを見ている、と話し、沖縄県民に理解を求める、と繰り返す政府の閣僚に、根底が間違えているのに理解はできない、と批判して大きな拍手を受けた。

 意見表明の二人目は名護市議の仲村善幸さん。閣僚が相次いで来沖するのは、県民の分断を図るものとし、卑劣な手口で県民を揺さぶろうとする安倍政権を批判した。3年前に誕生した稲嶺市長のたたかいが、自公や仲井真知事も普天間基地の「県外移設」を主張する現在の状況を作った、と述べ、この変化は市長や名護市民、それを支えた人たちの良心の成果と讃えた。命をはぐくむ海、豊かなやんばるの地を破壊させないのは、子や孫たちへの責任とし、来年の市長選挙に向けて稲嶺市長にエールを送っていた。

 渡具知武龍くんの話を聞いていると目がうるうるしてくる、とあいさつの始めに語った稲嶺進市長は、アセス評価書の提出や埋め立て申請書の提出で繰り返されてきた、政府・沖縄防衛局の不意打ちの手法を、許してはならない、と批判。1月に建白書を総理に手渡したのに、何もなかったかのような国の仕打ちに、憤りを超えて恐ろしさというか、空しさというか、表現のしようがない、と語り、ウチナーのアイデンティティーを守るために、みんなで頑張っていかなければならない、と訴えた。

 3年前の5月28日にも、鳩山首相の裏切りに対し緊急集会が開かれた。その時も今日も大雨が降っているが、この雨は辺野古の海を埋め立てようとすることに、お天道様が怒っている。この雨は我々の心に水を差すものではなく、お天道様が我々の心を察して代弁している雨だ、と述べた。

 3年前に辺野古の海にも陸にも新しい基地は造らせない、と訴えて、新たな流れ、動きを作り出した。2010年の市長選挙での市民の頑張りが、沖縄県民の心を動かした。それが今のオール沖縄の状況を作り出した。3年が経ち沖縄を変えた。もう後戻りができないところまで沖縄県民の心は一つになった。地元が頑張ったから県民の心をそこまで動かした。卑劣な埋め立て申請に地元から立ち上がり、行動を起こすことが大切だ。それを確認したい、という稲嶺市長の訴えに、拍手と呼応する声が上がった。

 安倍政権の閣僚が、県民の理解を求める、と相次いで来県していることについて、誰一人として名護市長に会いたいという人はいない、何でかね?という発言には爆笑が起こった。辺野古に軍港機能を持つ新たな基地を造ろうとして「負担軽減」と言えるのか、と疑問を呈し、17年前の日米合意から何も動かせなかった、沖縄県民の底力を知らないのではないか、と批判した。

 米国訪問の際に、米国の上・下両院議員や政府の役人、研究者と会い、辺野古移設は難しい、とする議員がいる一方で役人は、日本政府が頑張っているので期待したい、と語っていたという。日本政府が沖縄の声を伝えないなか、アメリカに行ってアメリカ国民に沖縄の現状を発していくことの意義を強調していた。

 お出かけ市長室という企画で屋部小学校の6年生に呼ばれて交流した際、市長が言う前に子どもたちの方から基地問題について訊いてきたという。子どもたちなりに気にして関心を持っていることを知り、辺野古に基地ができたら、補償金をもらうのは大人だが、負担をになうのは子どもたちだ、と話したとのこと。子どもたちの世代に負の遺産を残してはいけない。私たちは誤った選択をしてはいけない、という稲嶺市長の発言に大きな拍手が起こった。

 最後に副実行委員長で名護市議の翁長久美子さんの音頭でガンバロー三唱を行い、緊急集会を終えた。

 日米両政府が嘉手納より南の基地の返還時期を示す「日米合意」を交わした。しかし、名護市民の圧倒的多数はそれを批判し、拒否するはずだ。辺野古の海にも陸にも新しい基地は造らせない、とする稲嶺市長の主張は、市民に広く支持されている。区長が替わり、辺野古区でも新たな動きが生まれている。見え透いた県民だましで強引に事を進めようとする安倍政権に対し、名護市民が懐柔されることはない。むしろより一層、反発と抵抗が強まるだけだ。

 

 


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