22日も高江では、早朝から監視・阻止行動が取り組まれた。N4地区でオスプレイパッドの建設作業が始まったのを確認したあとは、メインゲート前で米軍の訓練に対する抗議行動が行われた。朝、メインゲートから出てきたゴミ回収車の荷台を見ると、レーションの空き箱や空き袋で一杯だった。前日はMV22オスプレイで米兵を吊り下げて移動する訓練も行われており、ゲートから出入りする米軍車両に対し、くり返し抗議を行った。
北部訓練場では、米軍は戦闘服で身を固め、森の中でゲリラ戦など、実戦的な訓練を行うためにやってくる。精神状態も高揚しており、走りすぎる米軍車両にシュプレヒコールをやるだけの儀式的抗議では、鼻であしらわれる。沖縄県民が訓練に怒り、反対していることを示すには、それなりの行動をしなければならない。そうやって、沖縄の訓練場は住民に反発され使いにくい、という認識を米軍に与えなければ、沖縄基地の撤去などあり得ない。
22日はこちらの抗議に対して、米兵が車両から降りてきて排除、誘導し、もみ合いとなる場面もあった。あくまでも非暴力の抗議行動だが、やれる限りのことをやらなければ、米軍は半永久的に居座る。北部訓練場の北半分を返し、新しい着陸帯を建設するとは、南半分の固定化を意味するだけのこと。世界的な保護価値のあるやんばるの森を、ゲリラ戦の訓練場として確保するための方便にすぎない。
午後1時過ぎに07番のMV22オスプレイが姿を見せると、メインゲート北西の森の中にある着陸帯に半時間ほど着陸していた。その後、伊江島方向に飛び去ったが、1時間ほどして戻ってきて、先ほどと同じ場所で米兵をロープで吊り下げる訓練をくり返した。1度目は米兵を吊り下げたまま森の上を旋回したが、小雨模様で天候が悪かったせいか、2度目以降は2〜300メートルほど吊り上げただけで降ろしていた。
訓練は兵士を交替して吊り下げているようで、午後4時半頃まで行われていた。大した風でもないのに、ホバリング中に前後左右に揺れるオスプレイの不安定さが目立った。兵士を吊り下げるくらいだから、機体の真下はエンジンから噴出する風の影響が少ないのだろう。しかし、その外側付近では樹木が大きく揺れているのが見えた。
このあたりの森は、ヤンバルクイナやノグチゲラ、ケナガネズミなど貴重な動植物が生息する場所である。そこでMV22オスプレイが長時間にわたって爆音を轟かせ、熱風を噴出して訓練を行っている。米軍は自国でも、希少生物の生息地で同様の訓練を行うだろうか。日米両政府の徹底した二重基準と沖縄差別を許してはならない。口先だけのきれい事ではなく、このような訓練を止めるための行動が必要である。