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Channel: 海鳴りの島から
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街中の小さな書店を残したい

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 9月18日に大阪の隆詳館書店でトークショーに参加させてもらい、店主の二村知子さんとノンフィクションライターの木村元彦の3人で、沖縄戦や教科書問題、基地問題などについて話した。

 隆詳館書店では、著者を招いてのトークイベントを300回以上開催しており、地域から文化を発信するその姿勢に感銘を受けた。街中から次々と書店が消えていってる時代に、書き手と読者にとって、それがどれだけ有り難いことか。

 木村元彦著『13坪の本屋の奇跡/「闘い、そしてつながる」隆詳館書店の70年』(ころから)は、街中の小さな書店がどれだけの熱意と努力で続けられてきたか、を伝えるノンフィクションである。

 同時に、小さな書店がなぜ消えていくのか、その背後にある取次、流通の問題を浮き彫りにしている。「返品入帳」や「ランク配本、見計らい配本」など、取次会社がトーハンと日販の2社に寡占化されることよって、書店が強いられている理不尽な問題を追及し、告発している。

 隆詳館書店は親子二代にわたって、これらの問題に声をあげ、闘ってきた。それは「書いたはる人と読む人の架け橋になる」ために街中の書店を守ってきた家族の歴史でもある。

 トークイベントに参加するため、隆詳館書店の前に来た時、外の棚に『めばえ』という幼児向けの雑誌が並んでいるのを目にした。まだあるのか、と驚き、懐かしかった。

 私が子どもの頃、今帰仁には「ちょうこうやー」というユーフルヤー(湯風呂屋・銭湯)兼文房具屋があり、そこは雑誌も売っていた。その店に親が小学館の学習雑誌を注文し、幼稚園から高校3年まで毎月読んでいた。

 初めて自分の金で雑誌を買ったのもその店で、小学校2年生の時(1968年)だからドルを使っていて、『少年マガジン』や『少年サンデー』が23セントだった。

 今帰仁にはもう書店はないが、名護まで行けばまだ本を買うことができる。親子が歩いて行けるところに本屋がある。その価値は計り知れない。

 


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