15日午前9時35分頃、美謝川切り替え工事の様子を見に行くと、国道329号線沿いに辺野古ダムに向けて樹木の伐採作業が行われていた。
伐採作業は先週末から行われているようで、到達立坑の工事現場から50メートル以上が切り開かれている。
切り倒された樹木の切り株が、無残な姿をさらしていた。
伐採後は新たな水路を造るための仮設道路や作業ヤードが造られるだろう。
新たに人工の水路を造っても、現在の美謝川とは環境が大きく変わる。生息している生き物が、新しい水路で生きていけるはずがない。
これまで行われてきた珊瑚の移植も大半が失敗している。高江の希少植物の移植でも、沖縄防衛局は多くの植物を枯らしてきた。
ヤンバルの貴重な自然を破壊し、かつ地域住民の生活を脅かして新たな米軍基地建設が強行されている。
連日、自民党の派閥の裏金問題がマスコミで取り沙汰されている。それでも、野党に政権を奪取する力はないと侮られ、国の代執行で大浦湾側でも工事が進められようとしている。
チエンソ―の音を聞くと、高江の森で木々が切られていった日々のことを思い出す。
子どもの頃、1960年代の今帰仁の海がどれだけ美しく、森が豊かだったか。夏の朝、軒下には明かりに飛んできたクワガタムシが仰向けになって足を動かしていた。それを見つけた時の喜びは、遠い過去になってしまった。
どれだけヤンバルの森や海の破壊を見なければいけないのか。年末の忙しい時期ではあるが、米軍や自衛隊の基地強化が進められる現場に、多くの人が足を運んでほしい。