9月も最終日となった。30日(土)は午後2時から辺野古区商工会館で「航空機騒音と低周波の人体と学習環境への影響を考える学習会」が催されたので参加した。
主催は辺野古新基地問題を考える辺野古有志の会で、講師は琉球大学の渡嘉敷健准教授。これまで普天間基地周辺や辺野古などの米軍機騒音を調査し、低周波が人体に与える影響を問題にしてきた方である。
CH‐46ヘリとMV‐22オスプレイの騒音の違いを視覚的に比べたり、オスプレイの低周波音を体験したり、工夫が凝らされた講演で資料も豊富だった。
新基地建設の環境アセスメントで示されたオスプレイの飛行経路の問題や、オスプレイが普天間基地に配備された当時の映像など、これまでの経緯を振り返って再度考える機会ともなった。
辺野古有志の会の皆さんが中心となり、辺野古区の中で区民に向けた学習会が持てたのは、大きな意義がある。裏方で頑張った皆さん、ご苦労さまでした。
辺野古区や豊原区、久志区などキャンプ・シュワブ周辺の地域は、米軍機の騒音や廃弾処理の爆発音など、日常的な基地被害をすでに受けている。その上さらに新基地建設を押しつけられて、基地負担は何倍にもなる。
全国の米軍専用施設の7割は沖縄に集中している。普天間基地を辺野古に「移設」しても、県内で基地をたらい回しにしているだけで、沖縄の「基地負担の軽減」にはならない。
沖縄に米軍基地が集中しているのは地政学的理由だと日本政府は言う。それなら1980年代まで日本にとって脅威だったのはソ連だったが、どうしてそのとき米軍基地が北海道になかったのか。
機動力が命の米海兵隊は特定の場所に縛られない。どこの場所にあっても迅速に対応できる態勢を整えるのが海兵隊の役割であり、九州だろうが、関西だろうが、普天間基地の移設は可能なのだ。
それを拒否し、日本政府が辺野古を「唯一の選択肢」とするのは、米軍基地の負担が全国に分散すれば、より多くの日本人が日米安保体制がもたらす負担=被害を体験し、日常生活が脅かされることで反発や疑問が拡大するからだ。
だから米軍基地は沖縄に集中させ、とりわけ危険な海兵隊基地は人口の少ない沖縄島北部に集中させれば、大多数の日本人の関心は薄らぎ、「沖縄問題」として他人事ですませられる。
日本「本土」の平和と安全のために沖縄を犠牲にする。これが日本という国の基本姿勢であり、それに抵抗しない限り、沖縄人は何度でも殺され、いたぶられる。