北朝鮮が軍事偵察衛星の打ち上げを計画しているとして、日本政府は4月22日に「破壊措置準備命令」を出した。
同日には航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の展開・配備が開始され、防衛省は宮古島市、石垣市、与那国町への一時配備を28日には完了した。
ところが、北朝鮮の軍事偵察衛星打ち上げはなかなか行われず、ゴールデンウィークをはさんで1か月余が過ぎた。
やっとというか、とうとうというか、5月31日になって沖縄では朝っぱらからJアラートが鳴り響き、さも「弾道ミサイル」が発射されたかのような危機煽りが行われた。
ところがだ、台風2号が接近中ということで、宮古島、石垣島、与那国島に配備されていたPAC3は所定の場所に展開できず、迎撃態勢をとることができなかったという。
この1ヶ月余、PAC3の配備に関連してどれだけの予算が使われたのだろうか。輸送費、整備費、人件費などで億単位の予算がかかっているはずだ。
その結果がこれである。まさに茶番劇であり、税金の無駄遣いとしか言いようがない。
ロケットとミサイルの違いを曖昧にし、ありもしない危険を大々的に宣伝して、自衛隊の配備・強化を進める。
そういう思惑で市民を不安に陥れている日本政府・防衛省は愚劣極まりない。それに加担している沖縄の行政機関、マスメディアも同罪である。
玉城知事や沖縄県、各市町村の職員、マスメディア関係者は、本気で「弾道ミサイル」が発射された、と考えていたのか。
実際には信じておらず、ただ政府の発表を垂れ流しているなら、市民を欺いている自らの行為を恥じるべきだ。