16日も高江のN4では目立った動きは見られなかった。先週から2週続けてオスプレイパッドの建設現場での工事は行われていない。監視行動を終えたあとにいろいろと分析論議をしているが、まずは工事が止まっていることに大きな意義がある。住民・支援者の連日の行動がなければ、すでにオスプレイパッドは完成し、醜悪な機体が離着陸をくり返しているはずだ。これ以上オスプレイの訓練場を作らせないために、来週も頑張りましょう。
今日は早朝から米軍のヘリやオスプレイの飛ぶ音が、高江の周辺で聞こえていた。真上を通過する機体は目にしなかったが、北部訓練場は広大であり、東海岸沿いを北上したり、国頭村あたりで訓練をしているらしい飛行音が、遠くに鈍く響いていた。メインゲート前を北上していく自衛隊の輸送車もあり、日米共同の訓練が行われている。
沖縄の施政権が返還されてから40年目の今年は、日中の国交正常化から40年目でもある。本来なら記念祝賀の催しがいくつも開かれていたはずだ。しかし、石原慎太郎前東京都知事によって尖閣諸島の都購入が打ち出され、それをきっかけにすべてはぶちこわしとなった。野田政権によって尖閣諸島は国有化され、日中の緊張激化という展開になっている。そして、仕組まれた「領土・領海問題」を推進力に、MV22オスプレイの配備や与那国島への自衛隊配備など、沖縄では中国に対抗する軍事強化が進められている。
16日は高江から戻ったあと、一休みして宜野湾市に行き、普天間基地野嵩ゲート前で開かれた金曜集会に参加した。各団体の代表があいさつをしているそばでは、ゲートを出入りする米兵への抗議行動も行われている。オスプレイが配備されてから1ヶ月半が経つが、毎回300人余の人が集まって金曜集会が続いている。来週23日は休日を利用し、午前からたこ揚げなどの行動に取り組むとのこと。
17日に天皇夫妻が来沖する。時あたかも、中国では習金平体制が確立した直後だ。尖閣諸島を火種にして沖縄人に「領土・領海」意識を喚起し、「国土防衛」の名の下に米軍と自衛隊を強化していく。そのためには沖縄人の日本への帰属意識のさらなる強化が必要である。基地問題に対して「沖縄差別」という声があがるなか、沖縄人の被差別意識が反ヤマトゥ感情に転化し、ヤマトゥからの自立・独立の意識が強まっていくこと。この時期の天皇来沖は、そのような沖縄人の意識の変化を防ぐ意味もあるだろう。
加えて、天皇による沖縄戦の死者への慰霊行為は、たんに哀悼の意を示すものではなく、昭和天皇の戦争責任を曖昧にし、隠蔽したうえで、あたかも父が平和主義者であったかのような歴史の偽造を再生産するものであることも見落としてはならない。17日は国際通りで、18日は糸満市で、天皇来沖に反対するデモ行進が行われます。土・日も休む間がありませんが、ぜひご参加を。天皇及び天皇制について発言、行動することに、萎縮するような社会にしてはいけません。