恩納村の海岸に漂着・座礁したランプウェイ台船・駿河と押し船によって、周辺海域のサンゴが破壊されていることを県内紙が報じている。現場の海底を撮影したダイバーの証言と写真も載っていて、漂流過程で海底をこすったのなら、破壊は広範囲に及んでいる可能性がある。
沖縄防衛局は来週13日以降、大潮の満潮に合わせて駿河を移動させるようだが、それで終わりとはならない。今回の事故によって破壊されたサンゴや海底の状況を調査し、実態を県民に明らかにして謝罪すべきだ。駿河は辺野古新基地建設に使用されてきた台船であり、県民の強い反対を無視して工事を強行してきた日本政府と沖縄防衛局には、それだけの義務と責任がある。
年末に駿河の事故があったにもかかわらず、沖縄防衛局は年明け4日から何事もなかったかのように辺野古側海域の埋め立て工事を再開している。全国的に新型コロナウイルスの感染爆発が起こっていても、抗議する市民や作業員、警備員、海保や機動隊などの安全を無視して、工事を強行し続けている。完成のめどすら立たない工事のために、人々の健康と命を危険にさらし莫大な予算が浪費されているのだ。
沖縄県民とりわけ地域住民が声を上げ、行動しなければ、沖縄防衛局は駿河の漂流・座礁事故の責任をあいまいにし、サンゴ破壊の調査もしないまま乗り切りを図る。そんなことを許してはならない。