25日(水)はカヌー10艇と抗議船2隻(平和丸・不屈)で海上行動を行った。午前8時にカヌーで松田ぬ浜を出発し、辺野古崎まで漕いだ。
午前8時半頃、K8護岸の前に着くと、ランプウェイ台船・屋部7号が接岸し、土砂の陸揚げが行われていた。大浦湾は波が高く、K9護岸に移動するのは難しかったので、長島に移動してK8護岸の台船の入れ替えを待った。
大浦湾にはガット船が5隻(marumasa3号、神峰、聖嘉、国喜18、第28旭丸)停泊し、ランプウェイ台船に土砂の積み替えを行っていた。この日は朝に入ってきたガット船はなく、すべて前日の午後までに入ったものである。最近はガット船の出入り時間が不規則になり、午後3時以降に入ってくることもある。
K8護岸の土砂陸揚げが思ったより時間がかかった。午前11時35分頃、屋部7号の土砂がなくなり、ショベルカーが護岸に上がった。
そのあと、カヌー10艇がオイルフェンスを越えて、この日2隻目の台船が近づいてくるのに抗議した。オイルフェンスから護岸までは距離があり、海保のゴムボートが弾圧体制を敷くなか、台船まで行くのは難しい。それでも、護岸に近づき、オイルフェンスの内側から抗議することで、見える風景がある。
沖縄防衛局はK8・K9護岸に空の台船を常時設置し、土砂を積んで接岸するランプウェイ台船の数を増やしたり、大型化を計画している。海上に土砂の仮置き場も考えているようだ。
しかし、沖縄防衛局がこのような計画を立てるのは、現状の土砂陸揚げがうまく進んでいないことの表れでもある。順調に進んでいるなら、現状を変更する理由はない。根本的には、大浦湾の軟弱地盤の問題があり、辺野古側の埋め立てを先にしたことがある。k8・K9護岸を本来の目的から逸脱し、桟橋代わりに使用せざるを得なかったため、土砂の陸揚げに限界が生じているのだ。
本来なら先に埋め立てた大浦湾側にガット船を同時に何隻も着け、埋め立て地に土砂を山積みし、60トンクラスの大型輸送車で辺野古側海域に土砂を運ぶはずだった。現状のK8・K9護岸ではガット船を接岸できず、ランプウェイ台船に土砂を瀬どりしないといけない。また、護岸上は10トンダンプカーがやっとすれ違える幅しかない。ダンプカーが待機、旋回する空間も限られている。台船を常設したとして、その限界はどれだけ改善できるだろうか。
海上にバージ船で仮置き場を作るにしても、ガット船から仮置き場に土砂を移し、さらにランプウェイ台船に積み替えるという二度手間となる。海が荒れて塩川沖から大浦湾にガット船が移動できない日が続き、土砂の運搬に苦労しているのが分かるが、海上の仮置き場は赤土の流出や台風対策などの問題も生じる。護岸の接岸部に設置する台船も、台風時にそのままでは置けないはずだ。
現在、K1~K4護岸で嵩上げ工事が進められているが、海面から8メートルという壁の高さまで土砂を積み上げることを考えると、いまの方法であと何年かかるだろうか。嵩上げ工事が進めが進むほど、壁の高さまで土砂を投入することの困難さが浮き彫りになるだろう。
工事が難航していることに日本政府や沖縄防衛局が焦っているのが分かる。だからといって、彼らの計画通りに土砂陸揚げの加速を許してはならない。日々海に投入されている土砂は、辺野古海域の自然を破壊しているのだ。それを実際にどう止めるかが問われている。
オール沖縄は辺野古の新基地建設を阻止することを目的にできたのであり、政党や政治家が選挙に活用するためにあるのではない。自分たちがやっていることは政治に利用されているだけではないか。そういう認識が生まれれば、市民は抗議行動から離れていくだろう。ふだん現場に足を運ぶこともなく、上から方針を出せば市民は従うと錯覚してはいけない。
オール沖縄にしても玉城知事にしても、日々進行している工事をどう止めるかが問われている。裁判で止めるのが難しいのは分かっているはずだ。どのような行動を自ら行うのかを市民は注目している。現場で頑張っている市民の意欲をどう維持し、激励するかが大切で、逆に抑圧するようなことがあってはいけない。
土砂の陸揚げと並行して、K4護岸では嵩上げ工事が今日も進められ、圧送ポンプ車で生コンの打設が行われていた。先に書いたように、この壁の高さまで土砂を投入するのに何年かかるだろうか。
午後12時過ぎに海上行動を終え、カヌーを片付けたあと昼食をとった。
テント2の裏にダイサギが餌を捕りに来ていた。周辺の草を刈って小さなせせらぎの流れを良くしたので、エサになる小エビや虫が捕りやすくなったのだろう。身近な生態系を守るためには、草刈りやゴミ拾いなど日々の小さな積み重ねが大事なのだ。
午後2時13分頃、豊原の高台から辺野古側埋め立て工区の様子を見た。K8護岸では土砂の陸揚げが続けられていて、②工区の中央やK2・K3側に投入されていた。
K4護岸では、午後は型枠の製作が進められていた。
午後2時27分頃から、辺野古弾薬庫側や瀬嵩の海岸から大浦湾の様子を見た。ガット船は国喜18と第28旭丸、聖嘉が残っていて、ランプウェイ台船に土砂の積み替えを行っていた。
K9・K8護岸ともに土砂の陸揚げが行われていた。K8護岸の台船の土砂はほとんどなかったので、このあと入れ替えが行われたと思う。
新型コロナウイルスの感染拡大の第3波に入っている。沖縄県の玉城知事は、経済界の要請を重視して「Go To トラベル」への判断を保留している。第2波で感染者が増大したときの過ちをくり返しそうだ。感染者が急増している東京や愛知、大阪などから観光客を受け入れて、沖縄で感染が広がらないわけがない。
高止まりしている沖縄の感染者が、また1日当たり50人60人と増大し、100人を超すようになれば、市民は外出を控えるようになり、観光どころではなくなる。沖縄島北部や離島に住む者からすれば、医療が間に合わなくなり高齢の家族がどうなるか、と不安に駆られる。
対応が遅れて感染者が急増する、そういう失敗をくり返してはいけないはずだ。