3日(水)は午後4時頃、ナングスクから塩川沖を眺めた。新型コロナウイルスの感染拡大で工事が中断し、緊急事態宣言が解除されても県議選があり、で約1か月半も工事が止まったままだ。沖縄防衛局からすれば想定外の出来事で、ただでさえ遅れている工事が余計に遅れることとなった。
7日の県議選が終われば、翌8日(月)には工事が再開される可能性が高い。すでに土砂を積んであるガット船も多いので、7日の午後から移動を始めれば、8日の朝には大浦湾に入ることができる。
安和の琉球セメント桟橋や本部港塩川区は目の前にあるから、空の船はすぐに積み込みを開始できる。船員たちも選挙が終わるのを待って、準備を整えているのだろう。
午後4時24分頃、羽地内海の様子を見に行った。ランプウェイ台船・呉屋5号と7号、屋部3号と5号は同じ場所に停泊を続けている。
変化があったのは、屋部3号の横に繋いであるタグボートが3隻に増えたことだ。これまでは一番大きい第五久護丸だけだったが、今日見ると第二十二萬代丸と名前の確認できない小型のタグボートが2隻、屋部3号の横に繋がれていた。
大浦湾で作業をするとき、屋部3号と5号は自走できないので、大型のタグボートが曳航し、小型のタグボートが台船の側面を推して方向転換したり、係留ロープをつないだりの作業を行っている。
タグボートが3隻そろったのは、大浦湾での作業を行う準備ができたということだ。自走ができないランプウェイ台船の移動は手間と時間がかかるので、8日から土砂の積み込みや陸揚げ作業を再開するなら、週末には動き出すかもしれない。
3日付琉球新報に県議選に向けての連載で、医療格差について触れた記事が載っている。沖縄島北部地域に産婦人科の医療態勢が整っていない問題を扱っているが、いったい何十年前から同じことをくり返しているのか。読んでいて怒りが込み上げる。選挙の前だけ立派なことを言っているが、県議や県当局はいつになったら改善するのか。
沖縄の那覇への一極集中ぶりはひどい。県立図書館や博物館・美術館、公文書館、国立劇場沖縄などの文化施設を、北部・離島の住民はほとんど使う機会がない。名護市長選挙の時に保守系候補が、映画館やスタバの誘致を打ち出していたが、それを笑えたのはナイチャーや中南部の人たちだ。基地反対を言う人たちでさえ、沖縄の南北格差、離島格差を我が身の問題として考えている人はどれだけいるか。
名護市は無投票当選になったので、新聞で取り上げた問題を市民が議論し,判断する機会さえない。新型コロナウイルスの感染第2波が来たとき、医療格差の問題は解決されているか。されているとは思えない。北部や離島から先に医療崩壊が起こるのは目に見えている。
いくら市民が生活面で気をつけても、感染リスクをゼロにはできない。仮に感染者が出たとき、貧困な医療態勢のままでは、重症化した患者は助からない。高齢者の多い北部地域で感染が広がれば、重症者が続出して、集中治療室が足りなくなる可能性がある。3月、4月のようにぎりぎりでしのげる保障はない。
書いていて気が重くなるが、これが現実だ。市民の気のゆるみが言われるが、観光地は日常の緊張を解いて、気をゆるめるために来るような場所だ。不顕性感染者が多いのが新型コロナウイルスの特徴であり、水際で防止するのは難しい。いずれ感染者が出るのは予想できるのだから、北部、離島地域の医療態勢を早急に整備するよう、首長、議員たちはもっと動くべきだ。