24日(金)は午後3時50分頃に大浦湾の様子を見に行った。ガット船やランプウェイ台船が姿を消し、湾内が広々としている。民間の警備艇が動いているだけで、工事の動きはどこにも見られなかった。
20日まで浜に並べられていたオイルフェンスは、設置作業が終わったようでなくなっていた。
工事が中断しているのに、漁民の警戒船は海に出ていた。漁民をからめとるために金がばらまかれ、必要のない警戒態勢がとられている。市民の払った税金がこうやって浪費され、工事費用が膨らんでいく。日本経済が危機に瀕する中で、こういうことをいつまで続けるつもりか。
キャンプ・シュワブの浜では海兵隊員が訓練を行っていた。往復で100メートルほど泳いで浜に上がると、重しをもってスクワットをし、前に足を踏み出して負荷をかけ、さらに腕立て伏せをやって、また海に入る、というハードな訓練を繰り返していた。
辺野古側に回って松田の浜に出ると、ここでは海兵隊がゴムボート3艇を出し訓練していた。
豊原の高台から辺野古側の埋め立て工区を見ると、大型クレーンは残されているが、重機類はあらかた片付けられている。テイケイの警備員以外、人の動きはなかった。
アタクー岩には緑のネットがかけられたままだ。5月になればアジサシが渡ってくる。営巣させないために張られたネットは、海を囲った護岸や赤茶色の埋め立て地とともに、辺野古の海、自然に加えられている暴力を示すものだ。
このままでは、この岩も土砂に囲まれ、やがて破壊されるだろう。思わぬ形で工事が止まったが、私たちはここまで辺野古の海の破壊を許してしまったのだ。軟弱地盤や活断層の問題がマスコミで取り上げられる一方で、日々の工事の実態はほとんど伝えられないままきた。
この現実から目をそむけて、大浦湾の問題ばかり取り上げて工事を止められるのだろうか。新型コロナウィルスの感染は長期化するだろうが、日本政府・沖縄防衛局はいずれ工事を再開する。その時、私たちはどのような形で現場で抗議行動を取り組むのか。どうやって工事を阻止していくのか。家にいても日々考えなければならない。