26日(火)には琉球セメントの新桟橋でガット船に土砂の積み込みが行われるのと同時に、旧桟橋では太平洋セメントの千進丸という船にセメントの積み込みが行われていた。一番上の写真で黒い船体がガット船・清和で海側の新桟橋に接岸している。手前の灰色の船体が千進丸で、陸側にある旧桟橋に接岸している。
これまで何度も書いたように、琉球セメントは本来の業務であるセメントの積み込みで旧桟橋を使い、新桟橋はガット船の使用を優先させている。いったい新桟橋は何のために造ったのだろうか。旧桟橋が老朽化して使用に耐えなくなったため、新桟橋を建設したのではなかったか。現状を見ると、辺野古新基地建設のために新桟橋を造ったとしか思えない。
11月7日の本ブログで、旧桟橋が老朽化による劣化が進み、危険な状態となっていることを写真で示した。
https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/da6e7b632720e5298ca507b9d03d536e
このような状態の旧桟橋を使って、どのような作業が行われているのか。以下の写真は26日に千進丸が出航する時のものだ。
26日の午後12時20分頃、千進丸がセメントの積み込みを終えて出航し始めた。作業員の一人が旧桟橋の橋(?)を渡って先端に行き、船首の係留ロープをはずした。そのあと作業員は橋を渡って、セメント積み込み用のパイプの下をくぐり桟橋の中央部に戻った。
千進丸が出航したあと、旧桟橋の近くに行って状態を再確認した。前にも紹介したように、桟橋のコンクリートは爆裂によって割れ落ち、錆びた鉄筋がむき出しになったり、破片が引っかかったりしている。
作業員が渡っていた橋は、単管を組んで足場板を渡しただけの簡単なものだ。手すりもワイヤーロープを渡しただけで、転落防止のネットが張られているものの、作業員の安全を重視しているとはとても思えない。
途中にある橋脚(?)も崩壊寸前だ。脚は表面の保護材が劣化して剥げ、鉄管が錆びて穴が開いている。上部のコンクリートの台座も数か所にヒビが入っている。こういう状態を放置して使用が許されるのか。
作業員がくぐって戻っていた所も、コンクリートの破損や鉄筋の錆が目立つ。そもそも、セメント積み込み用のパイプをくぐらないといけないのは、橋としてちゃんと設計されていないということであり、構造上の問題がある。接岸する船の係留ロープの付けはずしという基本作業すら、こういう危険な状態で行われているのだ。
作業を終えた労働者は桟橋を陸に戻っていったが、この部分も下の鉄骨が錆びて腐食し、ぼろぼろとなっていることは、7日の本ブログで紹介した。
新桟橋が完成した現在、そこを使えば安全に作業ができるのに、琉球セメントはどうして旧桟橋を使い続けるのか。新桟橋を辺野古に土砂を運ぶガット船に使わせて金を儲けるため、労働者を危険にさらしているのか。これでは琉球セメントは、辺野古新基地利権のために労働者を犠牲にするブラック企業と呼ばれても仕方あるまい。
企業には就業する労働者の安全を確保する義務があるはずだ。沖縄県や県議会は、このような琉球セメント旧桟橋の現状を把握しているのか。そのうえでこのままでいいと判断しているのか。事故が発生したときに、知らなかった、ではすまされない。すぐに調査して、旧桟橋の使用を停止すべきだ。
辺野古新基地建設を進めるためなら何でもあり。安倍政権の強硬姿勢がもたらす無法状態を許してはならない。桟橋は北部地域の産業の発展のために使うべきであり、軍事基地建設のために使ってはならない。目先の利益のために辺野古新基地建設に手を貸せば、北部=ヤンバルの将来は暗澹たるものになる。