この3枚の写真は2016年3月29日に撮影された辺野古岬の風景だ。砂浜の奥にはグンバイヒルガオやアダン、カヤの茂みがあり、自然の海岸が残っていた。
2枚目の写真でフロートを越えているカヌーメンバーのそばにいる黒服の2人は米軍の警備員である。特に注意するわけでもなく様子を眺め、ビデオで撮影しているだけだ。3日後にカヌーメンバーが(私のことだが)拘束されるような緊張感はない。
この頃は沖縄県の埋め立て承認取り消しにより工事は中断していて、海上保安庁の規制もなかった。カヌーチームは大浦湾の一画に片付けられていたスパッド台船やクレーン付き台船の監視と、カヌーの練習を日々行っていた。辺野古の海、大浦湾に一時的な静けさが戻っていた。
3枚目の写真は今、N4護岸が建設されている付近の風景だ。もう二度と見ることはできない。陸地に米軍基地が造られても、海岸はまだ自然の姿を保っていて、アダンの茂みや浅瀬には多くの生物が生きていた。何百年、何千年と続いてきたそれらが破壊され、失われてしまったのだ。
沖縄県民は各種選挙や世論調査で、辺野古新基地建設反対の民意を何度も示してきた。それを踏みにじり、工事を強行してきた安倍晋三政権の暴挙で、沖縄に残された貴重な海、海岸が日々破壊されている。これ以上破壊を進めさせていいのか。
工事を止めるにはまず、沖縄県民が行動するしかない。まず沖縄県民が動かなければ、県外の人も世界の人も動かせない。